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  • 2020.01.08

    博学深究 36 新春特別編 サヨナラまでの30分

    博学深究 佐藤卓

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 新年明けましておめでとうございます。穏やかな新春をお迎えのことと存じます。
 今回の副校長ブログは、特別編ということで、卒業生の萩原健太郎監督にインタビューをしました。高校在学中に男子ホッケー部のキャプテンという縁もあり、久しぶりに母校を訪れてくれました。高校時代の担任は植松先生で、なんと萩原監督は、初等学校から成城だそうです。
 初めての長編監督としてメガホンを取ったのが『東京喰種トウキョウ・グール』で、今回は、監督作品2作目となる1月24日全国公開の『サヨナラまでの30分』だそうです。これまでコマーシャルの演出なども幅広く手掛けていて、大忙しのようです。高校生の面影が残る監督から成城学園の思い出などを聞いてみました。

今日は、忙しい所、インタビューの協力を有難う。頑張ってるね。
萩原) そうですね。何とかやってます(笑)。
卒業して、何年になるの?
萩原) 98年卒業ですから・・・、21年ですかね。
高校を卒業してから、すぐにアメリカに留学されたのですか?
萩原) いいえ。2年間映像の専門学校で勉強してから渡米しました。
英語で、苦労はしませんでしたか?
萩原) もちろん言葉では、とても苦労しました。監督が喋れないのでは、仕事にならないので、語学だけは頑張りました。とても厳しい学校だったので、時には『喋れないのなら監督なんて出来ない。さっさと日本に帰れ』と怒られました。
なるほど。やはり、それなりの苦労はあったのですね。成城も英語教育に力を入れているのですが、後輩達に英語力を高める為のアドバイスがあったら教えて下さい。
萩原) とにかく、僕は徹底的に単語を書いて覚えました。日本人は、他の国の人に比べて完璧な文法で喋ろうとし過ぎて、逆に窮屈になっている印象があって・・・。あくまで目的はコミュケーションだと思ったので、相手の言うことを理解するためにとにかく単語を覚えました。幸いカリフォルニアに居たので、外国人が多く、こちらの言うことを理解しようとしてくれる人が多かったので、良かったです。中部に入ると、訛りとか差別とかがあるので苦労したと思いますが、西海岸では、比較的快適に過ごせました。
映画の世界に入って、活躍されるようになり、何か成城教育で、役立ったことはありますか?
萩原) はい。最近も他のインタビューで答えたのですが、初等学校の映像の授業が、影響していると思います。当時は、8ミリ・フィルムを使っていて、切ったり貼ったりして作ったことが面白く、それがスタートかも知れません。他の学校なら将来映画監督になりたいと言っても『何を馬鹿なことを言っているんだ』と言われてしまうことも、成城では自然に、やってみればいいじゃないかという雰囲気がある。漠然と思っていた夢が、自然とその道に進める環境があると思います。
確かに成城には、そういう所があるね。まさか当時、ホッケー部のキャプテンをやっていた萩原監督が、こんなになるとは、想像もしなかったよ(笑)。ところで、前作の映画『東京喰種』に続いて、今度の2作目は、『サヨナラまでの30分』という作品だそうですが、簡単にいうとどんな内容ですか? 簡単にとは、ちょっと失礼だね(笑)。
萩原) いいえ、大丈夫です。内容が複雑なのですが、原作の無いオリジナル・ストーリーです。あるバンドがあり、ボーカルの一人がリーダー的存在で、常に輪の中心的存在なのですが、その彼が、1年前に死んでしまいます。死後1年経って、死んだ彼とは、全く真逆の性格である仲間の一人の身体に30分だけ蘇ることができる。そして、解散したバンドを再結成して行くのですが、周囲が蘇った自分の存在を認めてくれなくなっている・・・。自分の存在とは何か、存在の話というか、ちょっと複雑なストーリーです。
それは、見てのお楽しみだね。公開が、1月24日全国一斉公開ということで、必ず、観に行きたいと思います。撮影で一番苦労したことは、何ですか?
萩原) 今回は、バンドものなので、6人のメンバーがバンドを組むのですが、楽器演奏の経験者が、1人しかいないので、残りの5名は、半年ぐらいバンドの練習をして、プロのバンドらしく(演奏できるように)トレーニングを積んでくれました。役者さんは、さすがだなあと思いました。
ボディダブルを使わず、すべてご自身たちでやられたのですね。
萩原) はい。すべて彼らが演奏をしています。
それでは、最後に後輩達に伝えたいことがあれば、教えて下さい。
萩原) 逆に先生に質問ですが、僕と一緒の事務所の監督仲間が、ある大学の講演の事前アンケートを行なって、『聞きたいことはあるか?』の質問に対して、150人中100人くらいが、『失敗しない方法は、何ですか?』という質問をしたそうです。成城生もそうなのでしょうか?
世間一般が、そのような傾向があるのではないかな。失敗が経験になり、財産になるのに、何でも当たらず障らず、無難に進めたい。成城生には、失敗を恐れず、何事にもチャレンジしてもらいたいね。
萩原) チャレンジすれば、100の内、2でも3でも50でもゴールに近付くことができる。何もやらなければ、0です。ゴールは、歳を重ねることに、どんどん変わって行きます。後輩達にも失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてもらいたいと思います。
今日は、忙しい中、貴重な話を聞かせてもらって有難う。大作が完成したばかりですが、次にやりたいことは、ありますか?
萩原) それは、今ちょっと公表できないので、勘弁して下さい(笑)。後輩達にも宜しく伝えて下さい。
了解しました。それでは、これからも身体に気を付けて頑張って下さい。

 卒業されてからホッケー部のOB会以来、十数年ぶりの再会ですが、高校生の面影を残したまま、映画界で活躍しているようです。初等学校の映像の授業や語学習得の苦労話など色々と聞かせてもらいました。機会があれば、是非、映画をご覧頂き、応援をしてあげて下さい。次の目標を聞き出せなかったのは、残念ですが、ご本人が言うように歳を重ねるごとにゴール(目標)は変わります。これからも、いろいろな卒業生の更なる活躍を応援したいと思います。
 皆様にとりまして、この1年が素晴らしい年になりますようお祈り申し上げます。

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