中学合格発表

 「受験倍率は何倍ですか?」とよく聞かれる。答えにくいというより、何倍ですよ、と答えたときの、聞いてきた相手の心理を慮って、私は曖昧に答えることにしている。数字が独り歩きして、全く別の場面で倍率が物を言うのを好まないからだ。
 果たして今年の中学入試は・・・を語る回であるが、吉報をお届けできなかった大勢の皆様にも読んでいただく以上、自画自賛のような表現は厳に慎みたいと思う。残念ながら縁がなかった、と双方で納得してもらうよりほかない。これもまた試験の結果である。

 さて、節分の日は豆まきが定番であったはずが、近頃は、その年の吉の方角に向けて太巻きを一口に頬張るのが盛んになってきたようだ。成城学園に幸多かれ、と入学試験の採点が終わった3日に、この「恵方巻き」が校長から振る舞われた。たしかに、入試が無事終わると、来る桜満開の春の頃の学校を期待させる。今年は北北西が吉方とのこと。合格して入学した新入生たちは、高3になったときに、<成城学園100周年>を迎える「おめでたい」生徒になる。彼ら彼女らの本校での健やかなる成長を北北西に向け祈念した。