年輪

 本日の法学部をもって、成城大学の入学試験が終わる。高等学校の一般入試は、昨日無事に終わった。秋から始まった学園の入試日程も、今週が大詰めである。幼稚園児から大学、大学院の学生までフレッシュマンを迎える4月に向け準備が整いつつある。
 初等学校、中学校を含めてどこから成城学園に入っても、ひとたび「成城教育」を受ければ、大家族のような成城生の一員である。数多い卒業生の中には20年近く成城で学んだ経験を持つかたも少なくない。実にいろいろな人たちがこの学園で過ごしてきたのである。その年月の重みに想いを馳せる。
 クラス名が植物名の学校があるためか、あるいは学園内に緑が豊かなためか、成城関係者のことをよく樹木に比喩する。95年前に創立者の澤柳政太郎博士が蒔いた種は、この成城の地でしっかりと根を張り、今や総合学園として森を形づくっている。新入生が決まるたびに、緑が色濃くなるようで「ようこそ成城の森へ」と嬉しい気持ちになる。
 実際の冬枯れの林は2月の寒さに震えているように見えるが、いや実は萌え出る若葉の芽を内側に抱えているにちがいない。