乗り越える

 年に五回の定期試験。4回目のテスト期間が、中学では先週1日から、高等学校は本日から始まっている。学年によって、あるいは選択している授業によって違いはあるのだが、中高生が4日間で8科目前後のテストに挑んでいる。進級や進学のかかっている生徒も少なくない中で、さすがに「今は勉強優先」という空気に学校全体が包まれている。
 生徒たちはこの時期を乗り越えてしまえば、冬休みに向けて楽しいことを考えられはじめられる。しかし、教員となると、試験問題作成から採点、成績会議、講習、面談日くらいまで、ほとんどノンストップで走り回り、気が付くと年の瀬になっているというのが毎年のことである。師走の「師」は本来、僧侶のことだそうだが、教師の「師」でしょうと言いたくなる。
 何のための定期試験であるか考えてみよう。生徒の本務である学業を疎かにさせないため、つまり学年相応の学力をしっかり付けるために、生徒一人ひとりと教員とがプラス志向で係わる歴とした学校行事なのである。