合唱コンクール

 合唱の素晴らしさは、歌う側にはもちろんのこと、聴く側にとっても、なぜか胸に熱いものがこみ上げ、そして涙がこぼれ落ちそうになるほどの感動を与えてくれることにつきるだろう。年に幾度もない場面である。
 先週、今年で22回目を数える合唱コンクールがあった。男女共学の利点を生かして、男声・女声ソプラノ・女声アルトの三部合唱を合計20曲以上中学生たちが披露してくれた。例年のこととは言え、50周年記念講堂内の座席を埋め尽くした聴衆は約3時間のプログラムを堪能した。金・銀・銅の入賞クラスの結果発表も大いに盛り上がった。

 また今年は、「3・11」を境に日本の各地では深い悲しみに包まれた。合唱のときの感動のお裾分けを、被災された方々の心の痛みが少しでも癒えることを願い、被災地に届けたいものである。届け方は人によって様々であってかまわない。ある瞬間に思いやりの気持ちが芽生えただけでも、きっと癒されたいと思っている人に一歩寄り添うことになる。