博学深究

 中学校の校長室に、成城学園の創立者である澤柳政太郎先生揮毫の書が掲げてある。「所求第一義」は複製で、学園内のどこの校長室等にもあるという。実物は長らく50周年記念講堂内に掲げられていた。もう一つ「博学深究」は正真正銘、澤柳先生の書である。
 「はくがくしんきゅう」と読めばいいのだろう。わずか四字に学校教育の理念と理想が表されている。広く学問があることの「博学」に「深める」「究める」と続けば、「学校という場で生徒が物事を広く深く学ぶ姿勢を身につけるように」と百年前の声が聞こえてきそうである。実際には、大正9年に澤柳先生が「矢澤」氏の求めに応じて書いて贈ったものらしいが、成城小学校を開いて2年後の書であり、それが今の中学校に伝わっていることを鑑みると、意味深長である。

 来る11月2・3日に行われる学園文化祭。大学図書館1階を会場に教職員作品の展示コーナーが設けられるが、この扁額も展示されることになった。ぜひご覧いただきたい。