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  • 2013.06.20

    出たとこ勝負 39 学校見学会 みんなありがと

    出たとこ勝負

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 学校見学会、ご来校ありがとうございました。お客様へのお礼は「トピック」の欄に担当者が書いているので、私は手伝ってくれた生徒諸君へのお礼を書こうと思う。

 学校見学会の第一の目的はもちろん宣伝だ。成城学園に受験していただけるよう、大勢の教員と生徒とで楽しい1日を演出する。教員が働くのは当たり前だろうが、見方によっては生徒を宣伝に利用しているとも言える。しかしこの日、様々な形で参加してくれた200人あまりの生徒にとっては、きっと良い経験として成長に結びつくイベントだったと思う。体験教室を手伝ってくれた生徒たち。案内役をやってくれた高校ライフセービング部員。オープニングで大活躍だった中学バトン部員。相談コーナーで一生懸命に学校生活を語ってくれた自治会の委員たち。全体会での司会や学校紹介のために大勢のお客さんの前で話をしてくれた中高生。他にもいろんな生徒が手伝ってくれた。本当にありがとう。キミたちのおかげで良い会を持つことができた。
 同時にみんな、この日の体験をよくかみしめてみてほしい。自分の学校を、あるいは日々の生活を、そして自分自身を見つめ直す機会になった人もいるのではないか。学校のため、来場したお客さんのため、部活動のため。自分以外の人のために働くことによって普段の仲間内だけの人間関係とは違う広がりを感じた人もいるはずだ。
 今の高校2年生は中学生の時に私が3年間担任をした学年だが、そろそろ片付けが始まろうとしていた頃、何人か、お手伝いの生徒と話をすることができた。中2のときに萩組で担任をした女子生徒は、高校紹介のコーナーで舞台に立ってくれた。「私ね、実は国立大目指してんだ」「いいねぇ。税金で勉強できるんだから絶対おススメだぜ」「○○大合格って、成城の受験実績にもなるでしょ」「そんなことまで考えてんの」
 同じく高校紹介コーナーに参加してくれた男子生徒は中3の時に欅組で担任をした。「僕、(成城大を目指す)Aコースなんだ。中学からやってる生徒会の活動を徹底的にやっておきたくて」「偉いなぁ。これからもこういう会で活躍してくれよな」彼が、中3の時、お母さんと行った旅行でお土産にくれたマグカップは今も校長室の机の上にある。
 中学校水泳部の顧問をしていたときキャプテンをやっていた男子生徒はライフセービング部員として下働きをやってくれた。「俺、この前の学力テストの国語、学年で5番だったんだ」「スゲーな。どうしたの」「春休み、めっちゃ勉強したんだ」「へー。受験考えてんの?」「うん」「じゃあ、ライフの活動もちょっとできなくなるねぇ」「いや、そんくらい両立しますよぉ」
 もちろんどの子も、中学の頃からちゃんとした生徒ではあったが、あまりに立派になっているんでやはり驚いてしまう。自分から積極的に生きている生徒にとって、成城学園中学校高等学校は無限に自分を伸ばしていける場として存在している。こういう生徒にとって学校見学会は単なる宣伝の道具として利用されるのではない。きちんと自分の肥やしにする力を持っているのだ。彼らの後押しをできる学校であり続けたい。