来週は中3で修学旅行、中1・中2で遠足がおこなわれる。
 修学旅行は北海道に3泊で行く。3クラスずつに分かれて、それぞれ反対回りのコースを進むが、2泊目だけは6クラスが集うようになっている。私も桂・欅・杉の3クラスに同行する。
 中2の遠足は夏におこなわれる「山の学校」の前哨戦で、大山登山に全員で挑戦する。山の学校ではガイドさんが先頭にしっかりいて、ゆっくりしたペースで登るのだが、大山遠足の時は、各自のペースで登っていく。たいがい元気の良い集団はいつのまにか競走のようになってしまい、ものすごい勢いで登っていく。そういう生徒たちは後で感想を聞くと、本番の山の学校より大山の方がきつかったということになるのだ。
 1年生はクラスごとに行き先を決める。4月に入学してからどこに行くか話し合いを積み重ねていく。初等学校から入学した生徒と受験で入った生徒が遠足の準備を通して知り合っていく。そして遠足に行って、もっと仲良くなるのだ。清水公園・八景島・東京ドイツ村など今年は同じところに行くクラスはなく、8つのコースが計画されている。
 その中で、藤組の企画に対して職員会議で疑義が出された。浜離宮から水上バスで葛西臨海公園へ行き、そこで遊ぼうというものだ。問題は集合を新橋駅、解散を葛西臨海公園駅とした点だ。たいがいのクラスは学校に集合し、貸し切りバスを使って目的地に向かう。現地集合にする場合でも小田急線の駅ということが多い。この藤組は水上バスに乗ることが活動のひとつの目玉だから、わざわざそこまで貸し切りバスを使うことは無駄だと考えたのだ。担任は生徒たちとよく相談をして、誰がどういうルートで移動するのか把握した上で小田急方面から来る生徒はもう一人の教員が付き添いながら新橋に向かうことまで考えていた。心配の声もいくつか上がったが、「担任が責任を持ってやることだし、生徒と相談して進めてることだからいいじゃないですか」という発言があり、承認されることとなった。だから藤組の生徒諸君、注目されてるよ。5月29日、キミたちが無事に家までたどり着くことを祈ってる。頑張って楽しんでこい。
 私個人としては、中学生にもなったら、公共交通機関を使って東京のどこへでも行けるようじゃなきゃ困ると思うのだが、やはり学校というところは不測の事態をどうしても恐れてしまう。大地震でもあったらどうするんですか?という質問には答えようがない。だが、それはそうなんだけど、100%の安全なんてないことも事実だ。安心と不安のラインをどこに引くかはこの学校にとっては大きな課題だから、簡単には決められない。リスクを横目でにらみつつ、生徒と共にひとつずつ解決していく。困難を乗り越えたときそこには大きな成長が待っているのだ。