「海の学校・山の学校」が近づいた。教員の付添い体制も決まった。海の学校については生徒と同じ活動をするわけではないので、さほど教師個人の準備は必要ない。
 しかし山の学校は違う。生徒と同じコースを、荷物を背負って歩かねばならない。生徒は毎年、中学二年生だ。しかし教員はどんどん年齢を重ねていく。だんだん一緒に歩くのが辛くなることもある。ある教員は昨日から帰宅時に一駅手前で電車を降りて歩き始めたと言っていた。また別の教員は車で通勤するのを中断して、自転車通勤に切り替えた。
 そんな風にして生徒とともに歩いてきたのが山の学校だ。