先日、災害避難訓練を行った。避難完了まで5分程度と、例年と変わりなく実施できたが、生徒の様子を見ていて一つ気づいたことがある。
 全生徒が一か所に集合したときには、必ず誰か教員が「静かにしなさい」「口を閉じなさい」などという指示を出す。場合によっては大きな声を出さざるを得ないこともある。ところがこの日、誰もそういう指示を出さないうちに集まった生徒が静かになっていたのだ。もちろん素晴らしいことだから、生徒に対してもそのことを褒めたのだが、後になって、これも昨年の大震災の影響なのかもしれない、ということに思い当たった。生徒はもう十分大人だから、あの出来事の恐ろしさを我々が思っている以上に自分のこととして感じているのかもしれない。いつもなら訓練だからという気楽さでなんとなく過ごしてしまうが、その訓練がいかに大切かということを知らず知らずのうちに生徒たちは実感していたのではないか。
 生徒の命ほど学校にとって大切なものはない。こちらも気を引き締めて安全・安心を作っていかねばならないと思い知らされた。