私は都立高校のグランドに面した団地に暮らしているが、この季節になると、運動会・文化祭と賑やかな行事が繰り返されていく。毎年のことだから、名前も知らない体育の先生の、声だけは馴染み深いものとなっている。仕事柄うるさいとは感じないのだが、音はそれなりに大きい。
 成城学園中学校でも10月4日に運動会をおこなった。アナウンス・吹奏楽・生徒の歓声。近隣の方々には騒音によるご迷惑をおかけして本当に心苦しい限りだ。特に仙川の向こう側にマンションが建ってからは、以前と同じようにやっていることが気になって仕方がない。実際にお叱りをうけることは多くはないのだが、それだけに申し訳なさが強まる。
 成城学園がこの地に移ってきた頃は、小田急線すら通ってなく、京王線の千歳烏山駅から生徒たちは通っていたそうだ。そのころはまさかこの周りが砧村から高級住宅地世田谷区成城になろうとは思ってもみなかったのではないか。自然の中、田んぼの中に建つ学校は、ご近所に迷惑をおかけすることなど全く無縁だったろう。
 私立学校であっても、地域から乖離してよいはずはない。迷惑を最小限に抑え、地域と共に歩んでいける学校とならねばなるまい。
 生徒たちの楽しく、真剣に競技する姿を見ながら、そんなことを考えた1日だった。