中間テストが終わった。この数日はテストの返却をしている授業が多いので、私の部屋がある中3のフロアでも、あちこちで歓声というのか喚声というのか、どよめきが起きている。テストというのは、学んだ範囲についてどれだけ理解・習得できたかを測るものだが、私は一種の手紙だと感じている。「オレこんなこと説明したんだけど、どう考えるよ?」「あのとき○○君がした発言って、どういう意味だと思う?」なんていうことを問題という形式で、教師たちは手紙にしているのだ。
 生徒たちはその手紙のお返事を一時間かけて必死に書いていく。テストというと何やら眉間にシワを寄せて語ることのように見られるが、実は生徒と教師との真剣で楽しい交流の手段なんだろうと思う。もちろん厳密性・公平性などが重要なのは当然だが、本当は一人一人に宛てた私信の代わりなのだ。肩の力を抜いて臨みたい。
 だから私はときどきテストで遊んでしまう。私は国語の教師だが、1学期には文法の出題で「雨はやんだが槍が降った」とか「壁に耳あり障子にメアリーって、誰?」とかいうようなバカバカしい例文を使ってしまった。
 私の作った今回のテストでは100点を取ってくれた生徒がいる。国語は満点を取りにくい科目だ。とても嬉しい。

 人がいちばん本気で書く手紙はラブレターだろうか。だとしたら、期末テストをラブレターのレベルにまで高めたいものだ。