学校生活
昨年の12月25日から27日まで、中学1年生から高校2年生までの成城生15名が、筑波大学附属駒場中学校・高等学校、灘中学校・高等学校の生徒とともに福島フィールドスタディ「ふくしま学宿」に参加しました。
生徒たちは14年前の東日本大震災で大きな被害を受けた福島を訪問。復興に向け活動されている様々な立場の方と対話することで、被災地での復興への取り組みを学びました。この学びのツアーに参加した生徒たちによる報告会が3月11日(火)に成城学園中学校高等学校を会場に、三校の生徒が参加して開催されました(灘中学校・高等学校は生徒有志の方がオンラインで参加)。
報告会では、筑波大学附属駒場中学校・高等学校、成城学園中学校高等学校からそれぞれ3グループの発表がありました。東電原発事故に触れ、原発のメリット・デメリットや将来のエネルギーをテーマに発表するグループ、復興とは何かを突き詰めて発表するグループ、被災地の教訓をどのように生かして備えるかをテーマに発表するグループ、被災地の語り部の方との対話を通して感じたことを発表するグループなど、グループごとにテーマが大きく異なり、同じフィールドスタディに参加した生徒同士でも心に残ったこと、注目するポイントや感じ方はそれぞれ異なることが良くわかる報告会となりました。
各校の報告の後、2023年、2024年と「福島学カレッジ」(東日本大震災と復興に関する中高生を対象とした研究講座)に参加し、2年連続で最優秀賞を受賞した成城学園高等学校2年の井上天凱さんによる研究発表が行われました。井上さんは「東日本大震災と復興に関する高校生の意識」をテーマに福島県や首都圏の高校生にアンケートを実施し、そのデータを分析しながら、東日本大震災と復興に関する正確な情報を多くの人に共有してもらうことの重要性を訴えて研究を続けており、今回のふくしま学宿に参加した生徒にも研究成果を聞いていただきました。
報告会は、ふくしま学宿に参加した各校生徒に加え、各校の関係者の方、生徒の保護者の方々を合わせ約70名が参加し、2時間超にわたり行われました。最後に、報告会にご参加いただいた東京理科大学大学院経営学研究科の石橋哲教授より「言葉には、発する人、受け取る人のバイアスがかかるもの。自分の頭で考え、本当に自分の言葉として発しているか、もう一度意識してほしい。(被災地で)見たこと、聞いたこと、感じたことで自分が変わっていくことをワクワクしながら感じてほしい」と講評の言葉をいただきました。生徒たちにとって今回の成果発表会は、ふくしま学宿を通して見て、聞いて、感じたことを元に自ら考え、言葉を通して他者に伝えるという貴重な機会となりました。
両校3グループずつ発表を行いました
福島学カレッジ最優秀賞を受賞した井上さんがゲスト出演し、研究発表を行いました
ふくしま学宿の様子はこちらをご参照ください。