学校生活
6泊8日でドイツ・オーストリアを巡る旅、課外教室「グリュッスゴット!オーストリア」が行われ、生徒31名、教員2名、合計33名が参加しました。旅の様子を報告します。
◆【出発~第1日目】3月23日(土)
第1日目は成田空港に集合したのが19時半でした。そして出発が22時半ということで1日目は殆ど終了している時刻です。成田を出発しドバイ空港を経由してミュンヘンに到着したのが現地時間の24日(日)12時半。日本出発後22時間後。集合時間から25時間を要した長距離フライトです。
成田空港出発
◆【第2日目】3月24日(日)
さてミュンヘン市内は6℃という真冬のような寒さで、雨も時折パラつく生憎の天気でした。昨今の空港のストライキによる混乱を懸念していましたが、荷物のピックアップ等には何ら支障はなく予定よりも早くに空港を出発し、バスにて旧市街はマリエンプラッツに向かいました。
中世から栄えるマリエン広場でヨーロッパ ドイツの街の雰囲気に触れます。広場北側に聳え立つ市庁舎や教会を観て、生徒は一様に感嘆の声をあげていました。ただし北風が強く吹き、気温が更に下がりかなり寒く、時差ボケの身体には少々キツかったです。
マリエン広場 市庁舎前にて
その後、明日のノイシュヴァンシュタイン城見学のため、近くに位置するフュッセンに向かいました。高速から見える広大な緑豊かな牧草地は目に優しく、旅の疲れを癒してくれました。夕方に宿に到着し、日本から始まった長い長い1日を無事に終えました。
◆【第3日目】3月25日(月)
昨日は相当な疲労で生徒も付き添いも就寝と同時に深い眠りにつきました。そのおかげで時差ボケが解消できたのか生徒は皆元気な顔を見せてくれています。
早速ホーエンシュヴァウに向かい、ホーエンシュヴァンガウ城の外観を見学し、その後は乗り合いバスでマリエン橋に向かいました。この橋はノイシュヴァンシュタイン城を見るベストビューポイントとして有名です。橋はその下を流れる川から90メートルも上にあり、かなりの高度感があります。生徒や付き添いの中には少々足が震えている者もいました。昨夜この地方は雪が舞い、あちこち雪化粧をしており、城の白とそして遠方の湖の青のコントラストが絶妙でした。
マリエン橋より
ノイシュヴァンシュタイン城を背景に
城の外観を見た後、場内に入城し、ガイドフォンの説明に耳を傾けながら、絢爛豪華な城の各室を見学しました。ルードヴィッヒ2世の思いが伝わったのか、生徒たちは絵画や彫刻、調度品等を興味深く見ていました。城の直下のホテルレストランで昼食をとりました。メイン料理は日本でいうロールキャベツでした。
昼食後はヴィース巡礼教会に向かいます。キリスト教教会で、世界文化遺産指定にされています。牧場の中に立つ大変質素な教会ですが、ロココ様式の内部の装飾はヨーロッパ随一と言われ、天井画は天から降ってきた宝石とも言われています。教会内部に入り、それらの豪華で美しい天井画や壁画を目の当たりにした生徒たちは、神妙に見入っておりました。ヴィース教会を後にし、一路ザルツブルグに向かいます。
ヴィース巡礼教会内
ヴィース巡礼教会
今日は移動距離が長い日です。ザルツブルグまでは約200kmの距離です。休憩を挟んで3時間ほどで旧市街に到着しました。まずメンヒスベルクの丘にエレベーターで昇り、展望台から旧市街の全景を眺めました。そこから見た日没の街は格別に美しかったです。その後は本日宿泊するシュラドミングに向かいオーストリアの第1日目を終えました。
◆【第4日目】3月26日(火)
今日も快晴です。宿の窓から見えるダッヒシュタインの山塊の姿は朝の眠気が吹き飛ぶほど美しかったです。
ペンションよりダッヒシュタイン山塊を背景に
さてシュラドミングはシュタインマルク州に属するスキー場です。この時期としては残雪が少なく、人口降雪機を駆使してコースを維持しているスキー場もありました。我々は標高1500メートルに位置し、ダッヒシュタインを目の当たりにできる、ロケーション抜群のペンションに2泊します。課外教室の企画者が長年親しくしているヒュッテガーさん一家が経営するとてもアットホームなペンションです。
午前中は再度ザルツブルグに行き、旧市街の観光です。ミラベル公園、モーツァルトの生家、大聖堂などを徒歩でまわりました。
ザルツブルグ ザルツッハ川に架かるマカルト橋を渡って旧市街へ
ミラベル公園にて
大聖堂内 モーツァルト洗礼盤
本日は分刻みのような行動です。ザルツブルグを後にして次はモントゼーに行きました。ザルツカンマーグート地方にある三日月型の湖です。そこには映画『サウンド・オブ・ミュージック』でトラップ大佐とマリアが結婚式を挙げる教会があります。そちらを見学し、ハルシュタットに向かいました。
モントゼー教区教会
そちらを見学し、ハルシュタットに向かいました。ダッヒシュタイン山塊の山麓に位置し、ハルシュタット湖の湖畔に家々が山に張り付くように立っています。こちらは街全体がユネスコの世界遺産に登録されています。最近は観光客が大勢おしかけオーバーツーリズムな状況になり、住民が街への入り口にあたるトンネルを封鎖して抗議するなど過激な運動が起きています。
ハルシュタット湖畔にて
街の中心地のホテルレストランで昼食をとります。メインは鱒のグリル。皿に盛られた1人一尾の鱒を美味しそうに食べていました。
昼食メインディッシュ 鱒のグリル
街では少しの時間自由散策をし、その後本日最後の目的地バートイシュルに向かいました。バートイシュルはオーストリア最古の温泉町であり、また皇帝フランツ・ヨーゼフの夏の避暑地でありました。皇帝はこの地で後の皇后シシイと愛称で呼ばれたエリザベートに一目惚れし結婚します。ミュージカル『エリザベート』にゆかりの地であることから、興味のある生徒にとって楽しみにしていた場所です。
その後シュラドミングに戻りました。
【第5日目】3月27日(水)
本日はウィーンまでの大移動です。シュラドミングからウィーンまでは約300kmの距離です。
ペンションの前、オーナーさんと
バスでひたすら走り続け約4時間でウィーンはシェーンブルン宮殿に到着しました。昼食を食べた後、観光客でごった返す中宮殿に入りガイドの説明を受けながら内部を見学しました。
シェーンブルン宮殿 庭園にて
その後は今宵のオペラ鑑賞のため、着替えや軽食をとるためにホテルに向かいました。
ウィーン国立歌劇場で鑑賞する演目は、リヒャルト・シュトラウス作曲 歌劇『薔薇の騎士』です。上演時間は約3時間半の大作です。生徒たちはドレスやスーツなど正装に着替えホテルからバスにて歌劇場に向かいました。人気の演目の一つですので、チケットは完売です。劇場の前には大勢の観客が集まっていました。私たちの座席は最上階の中央寄りです。舞台は見えにくいものの、このホールでの音響は抜群だと思います。
オペラ座にて
フル編成のウィーン国立歌劇場管弦楽団の一糸乱れぬ伴奏で主役3人の女性歌手たちの美しい絶妙な響きが、全幕を通して私たちの座席まで轟いてきました。また演出は今となっては珍しくなったオットー・シェンクによるオーソドックスなものであったことで、音楽に集中することができたと思います。これだけの薔薇の騎士の上演は世界中で唯一無二であったと思います。
終演後は正面玄関の階段で記念撮影を撮りホテルに戻りました。
オペラ座正面玄関階段にて
◆【第6日目】3月28日(木)
本日はウィーン市内をじっくり見学、散策する日です。まずホテルから地下鉄でカールスプラッツまで行き、市電に乗り換えウィーン美術史美術館に行きました。あまりゆっくりできず、有名な絵画だけの鑑賞になってしまいました。
美術史美術館にて 生徒によるパフォーマンス?
オペラ座に戻り、一旦解散してその界隈で昼食をとることにしました。早くもショッピングに明け暮れる生徒がいたりもしましたが…そして昼過ぎにオペラ座のバックステージツアーに参加しました。昨夜は最上階に着席でしたが、今日は一階席やロイヤルボックス席に実際に座ることができ、オペラ座の全容を知ることができました。その後はオペラ座前にて一旦解散し3時間ほどの自由行動の時間としました。生徒たちは街を熟知しているかのように街中に消えていきました。
オペラ座バックステージツアー
自由行動を終えた後は、全員で地下鉄に乗りプラター公園に向かいます。ヨーロッパでは歴史のある遊園地があることで有名です。昼間は気温が22℃まで上がり暖かでしたが、夕方から強い北風が吹き始めかなり寒くなりました。そんな中でしたが、公園内のアトラクションを目にした生徒はテンションを上げ、夕食をとるのを惜しみながら遊園地内を闊歩していました。あまり遅くならないうちにそちらも切り上げ、本日の予定を全て終了しホテルに戻りました。
プラター公園にて
◆【第7日目】3月29日(金)
今日は東京に戻ります。しかし往路と同じくドバイ経由で約20時間かけての長丁場のフライトです。ウィーンシュベヒャート空港には昼過ぎに到着。セキュリティチェックが思いのほか厳しく、終了後ゲートに行くとすぐに搭乗時刻になりました。
ウィーン・シュベヒャート空港にて。4日間お世話になったガイドの千竈さんを囲んで
ウィーンからドバイまでは約6時間のフライト。ドバイ現地時刻の23時に到着した後3時間のトランジットを経て、東京行き発は深夜2時55分発でした。そして成田空港には翌日第8日目にあたる3月30日(土)、ほぼ定刻の17時20分に到着しました。通関後に全員で無事に帰国した証として記念撮影をし解散しました。
帰国
今回の旅程は燃油サーチャージの高騰で、どうしても中東経由便を使うしか方法がありませんでした。故に出発の翌日の昼過ぎ着になり、2日目の行動に大分影響がでてしまい、その後ウィーンに行くまで忙しい行程になってしまいました。かなりハードスケジュールでしたが、生徒が協力してくれたおかげで無事にこなすことができました。参加人数(付き添い含めて)33名と多数でしたが、全員体調を崩すことなく無事に帰国でき、付き添い一同ホッとしたのは言うまでもありません。