「自分を変える」と「世界は変わる」 —中高生 特別講演会・サイエンス教室—

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「自分を変える」と「世界は変わる」 —中高生 特別講演会・サイエンス教室—

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  • 2023.11.09

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 11月6日(月)に中学校高等学校で「特別講演会・サイエンス教室」を開催しました。
 「サイエンス教室」は、専門の研究者による講義を拝聴したり、実験を観察したりしながら少し高度なサイエンスを学び、その体験を通じて中高生に理系の興味を喚起することを目的として年2~3回実施しています。今回は東京理科大学大学院経営学研究科の石橋哲教授を講師にお迎えして、「人と科学技術のかかわり ~「メガネ」で変わる見えかた~」と題した講演会を行いました。「今回のサイエンス教室は理系・文系の枠にとらわれず、皆さんにとって「今」と「未来」を考える貴重な機会(チャンス)になると思います」との中村校長からの呼びかけに、テーマに興味を持った中高生と教員約15名が参加しました。
 大学卒業後、銀行マンとしてキャリアをスタートされた石橋氏。初めに、時代背景ととともに自身のご経歴について紹介いただきました。石橋氏は、2011年の東日本大震災における東電原発事故に際し、事故調査委員会に参画された経験をきっかけに、国会事故調報告を出発点に世代を超えて社会のシステムについて考える場を共創することを目指すサークル活動「わかりやすいプロジェクト」に取り組まれています。
 12年前の震災と原発事故を経て、国会事故調報告書では今後大きな震災が訪れた時に、日本がどのような社会であるべきかの提言を行っています。しかし過去の反省を改善に繋げられていない、制度的な問題がそのままになっていると石橋氏は語ります。講演会の途中に参加者全員で体制の「支配層」「普通の人」「体制に疑問を持つ人」に分かれ、ある災難が降りかかった社会でどのような行動を起こすか「なりきりディスカッション」のワークショップを実施しました。自分たちの選択が社会の合意形成にどれほど直接的にかかわっているかを体感しました。
 最後の石橋氏から問いは「今日は、2023年11月6日。次の災害の何日前ですか?あなたは何をしますか?」。明日起こるかもしれない災害。そのために準備できることは物事の意味を正しく見る目と体制に同調せず自分の考えをきちんと持つこと。大人に対して「それでいいのか」と疑問を投げかけられる中高生でいて欲しい、そんなメッセージを石橋氏から受け取りました。

  • 講師の石橋哲氏。話題のアニメを題材に、中高生にも理解しやすいワークショップを行ってくださいました
    講師の石橋哲氏。話題のアニメを題材に、中高生にも理解しやすいワークショップを行ってくださいました

  • 石橋氏が取り組み「わかりやすいプロジェクト」について解説いただきました
    石橋氏が取り組み「わかりやすいプロジェクト」について解説いただきました

  • ある風景の写真。意味を知る前と後では感じ方が違う?
    ある風景の写真。意味を知る前と後では感じ方が違う?

  • ワークショップでは発言や行動が立場によって異なることを知りました
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