学校生活
高校3年生は三学期のこの時期、様々な分野について大学での学び方(講義+少人数でのディスカッション)を知る「特別授業」を行っています。今回はa組とb組(成城大学経済学部への進学内定者)を対象に1月17日(火)に行った「経済」の特別授業を取材しました。
初回となるこの授業では、多岐にわたる経済学の内容のうち、「消費のあり方」に焦点をあてて、身近なところから経済学にアプローチしました。エシカル協会代表理事の末吉里花さんを講師にお迎えして、「経済学の観点から『エシカルな暮らし』を考える」をテーマに講義とワークショップによる特別授業を行いました。前半は「エシカル消費とは何か ~持続可能な社会に向けて私たちにできること~」と題した末吉さんによる講演を聴講。「エシカル」とは直訳すると倫理的な、と訳され多くの人たちが正しいと思っていること、本来人間が持つ良心から発生した社会的な規範を指します。他人をおもいやる、もったいない、足るを知るなどの考えのもとで消費活動や暮らしを考えるというこの「エシカル」をテーマに話を伺いました。この活動を始めるきっかけとなったのは『世界ふしぎ発見!』という番組のミステリーハンターとして世界各地を旅する中で訪れたタンザニアでのある出来事と話す末吉さん。なんとキリマンジャロを登頂されたことがあり、その中で地球温暖化による影響を目の当たりにした衝撃がその後のキャリアに大きく影響を与えたターニングポイントだったとのことです。世界の様々な問題と、それに対する各国の取り組みなど、具体例を挙げながら分かりやすく説明していただき、「身の回り、地域、日本、世界で起こっていることを知ろうとすることが一番大切」と語り、一人では何も解決できないと思うのではなく、まずは関心を持ち、行動に起こすことが大切だと教えていただきました。
後半は4人1組のグループに分かれて、事前課題として探してきた身の回りにある「エシカルなもの」について共有し、他にどんな「エシカルな」製品があれば購入してみたくなるかをテーマにディスカッションしました。廃棄物を削減するための「食べられる食器」や「使用後は食べられる飴でできたストロー」、トンガの噴火のニュースを見てひらめいた火山灰を使った製品などのアイディアや、フェアトレード商品を広めるための工夫など、様々な意見が挙がりました。自分の生活を環境を守る視点で改めて見直し、何ができるか考える貴重な機会となりました。
授業後も残って末吉さんに質問をする生徒が数人いて、自分たちの未来を自分事としてとらえようとする姿が印象的でした。また末吉さんは、今日の授業をとおして考えたこと、それをもとにこれから行動するにあたって、ぜひとも自分のことも大切にしながら未来を切り拓いていってほしいというメッセージを付け加えてくださいました。