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  • 2014.08.25

    博学深究 1 名コンビの中学ラガーマン

    博学深究 佐藤卓

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 前任の石井現校長のブログ「出たとこ勝負」の評判が高く、それを引き継ぐのは荷が重いなあと、副校長という仕事に託けて、新シリーズの開始が遅れてしまいました。石井先生からも「義務じゃないから・・・」と無言のプレッシャーを受け、文才に欠ける一体育教師としては、いろいろと思案をした挙句、本校生徒の“ありのまま”を引き出すコーディネーターとして、インタビュー形式のブログを始めてみることにしました。校長室に飾られている一枚の書、そこには“博学深究”と書かれています。4月から副校長として過ごすことになり、この書がずっと気になっていました。この学校で生徒達が、どんなことを学び、深めているのか、それを知りたいという思いで、生徒達の現在を聞いていこうと思います。第1回目は、中高共に大活躍中の中学ラグビー部です。中学キャプテンのS君と副キャプテンのN君に話を聞いてみました。

ラグビー部

2014.6.26.収録

今日は、中学生・高校生共に関東大会に出場し、とても頑張っているラグビー部の二人に来てもらいました。それでは、色々と話を聞かせてもらいたいと思います。まず、ラグビーの話は置いといて、今一番興味あることは何ですか?
S: 僕の祖父が、バンドのリーダーをやっていて、その関係からピアノを10年やっています。だからピアノかな。
それじゃあ、ラグビーより長いキャリアで、ピアノをやってるんだ。
S: はい、そうです。
副キャプテンのN君は、何かはまっていることあるのかな?
N: 僕は、やはりラグビーかな。3歳からラグビーをやっていて、10年以上になります。
それは、すごいキャリアだね。じゃあ、早速ラグビーの話になってしまうけど、ラグビーの魅力って何ですか?
N: コンタクト・プレイが楽しい。当たることも楽しいが、パスやキックでトライを取って行く楽しさもあります。
ラグビーが上手くなるために何か努力していることはありますか?
N: 努力していることは、あります。ラグビーは、日常の生活が悪いとプレイに出てしまいます。だから日常の生活リズムを崩さないように努力しています。必ずプレイに出てしまうからです。
同じ質問をS君にお願いします。ラグビーの魅力は何ですか?
S: ラグビーは、プレイ中に歩く時間が無い。止まることが無い。12人全員がプレイに係らないと成り立たないんです。学年に関係なくピッチに立ったら一丸とならなければならない。
文字通り、One for all, All for one.だね。チームを一つに纏めるのは、大変だと思うけど、一番大変だったことは何ですか?
S: キャプテンとしての頑張り、その姿勢をチームメイトに示さなければならいことです。
N君から見て、S君はどんなキャプテンですか?
N: 関東大会で怪我をして、松葉杖をついてでも頑張っている頼もしいキャプテンです。
じゃあ、S君から見て、N君はどんな副キャプテンですか?
S: 他の部員より人一倍ラグビー経験が長いので、プレイの見本になるし、人間性も素晴らしい、文武両道のプレイヤーです。
それでは、関東大会の感想を聞かせて下さい。
S: 1試合目に怪我をして、途中退場になりました。その後にトライをされ、引き分けになってしまい、悔しかった。抽選でもNがハズレを引いて、責任を感じまし た。2回戦も出たかったけれど、ベンチで応援しました。Nが怪我をしていても出て頑張っているのに、出れなくて悔しかった。
N: いつもSが、引っ張ってくれた思いを自分の番になって痛感しました。怪我をしていても頑張ったが、結果は38-5、都の予選では、100点ゲームで勝っていたチームだったのに・・・。
S: 大学は、難関大学を狙っています。両立出来なければ、ラグビーは止めます。両立できれば、ワールドカップも五輪も目指すし、他にも色々なことをやってみたい。囚われるのは嫌いなので、遊びを基本とした生活でも良いし、時間を上手く使える人間になりたいです。
成城生らしいな・・・。
N: 僕は、海外でラグビーをやりたいですし、2019年ワールドカップ、2020年東京五輪に出たいと思います。
君らが代表になったら学園を挙げて応援するよ。今日は、ありがとう。

私は、毎朝7時30分頃学校に来ます。すると中庭では、いつもラグビー部の生徒達が朝練をしています。彼らの元気良い挨拶に励まされることもしばしばです。今回、二人から話を聞き、S君がピアノを10年やっていることなど意外な一面を知りました。成城学園は、色々な分野を深めて欲しいという思いで教育活動をしていますが、彼らの姿の中にもこの学校が大事にしていることが感じられ、嬉しく思いました。二人は、全く個性の違う二人ではありますが、お互いを尊重し、助け合う名コンビの印象を受けました。学校で色々なことを幅広く学びながら、本気でラグビーを究め、ここぞという時に力を出せるようになってもらいたいと思います。