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  • 2026.02.27

    副校長ブログ「ゆめみる」第59号 『3年3学期』

中学校にも高等学校にも3年3学期がある。
公立中学校の3年3学期は、推薦・一般の高校受験を控えて気が抜けない緊張の学期といえるだろうし、一般的な高校の3年3学期は、こちらも受験を控え受験準備ということで学校が休みになったり自由登校になったりするケースが多いような気がする。

成城学園の場合はこうだ。

中学3年生は、中高一貫校なのでその多くは成城学園高校に進学し、進学の可否は1・2学期の成績が出たところですでに決まっている。いわゆる進学校においてはこの3学期も高校の先取り学習のようなことが行われることが多いだろうが、成城学園の場合、先取り学習的な授業展開をおこなっている教科もありつつ、特徴的なものとしては「芸術選択授業」があげられるだろう。

「芸術選択授業」とは、音楽・美術・書道・家庭に充てられている週4時間を再編し、自身の興味関心に基づいて選択した教養講座的な授業である。2025年度は、音楽系が「金管アンサンブル」「独唱と重唱」「合唱」「ミュージック・ベル」「ヴァイオリン」「フルート」「クラリネット」の7講座、美術系が「日本画入門」「西洋絵画技法入門」「金属工芸」「アニメーション入門」「生活と陶芸」の5講座、書道系が「書道」「ペン習字」、家庭科系が「クロスステッチ」「日本刺繍」の計16講座だ。ご覧のとおり趣味・教養的な講座が並び、人気のあるものは抽選になる。
2月末の授業の終わりには音楽系の講座による「発表会」が開催され、制作系の講座については成果物を展示する「芸術選択授業展」が行われる。授業展では発表会の動画も流され、これらは保護者にも公開される。

成城学園は伝統的に芸術・情操教育を重んじており、それゆえに多くの著名人や芸能人も輩出しているが、そうした伝統の一端をこの「芸術選択授業」にみることができる。11月の文化祭でも有志によるバンド演奏などの音楽イベントがあり、中夜祭ではピアノ演奏や声楽、ダンスなどのパフォーマンスが披露される。過去には生徒同士で結成した漫才コンビが出場したこともあり、多才な成城生の一面を見ることができる。

さて、高校の3年3学期。こちらはすでに系列の成城大学への推薦が内定している生徒や、学校推薦型、総合型選抜で他大への合格が決まっている生徒については、3年3学期の特別授業が1月いっぱい実施される。
この特別授業、学校での授業として、進学する学部学科に関連した学習が行われることがある一方、裁判の傍聴、東京証券取引所の見学、文学館や美術館の見学など、校外に出て本物に触れる授業も設けられる。大学進学を前に、自分の興味関心をさらに深め確たるものにしてもらうための準備ということだ。理系の進学内定者には、ふだんの授業ではなかなかできないような本格的な実験を中心とした授業を、この期間に実施している。

さらに成城大学進学内定者には、最終的な面接試問が2月末に行われることもあって、教員が面接官になっての模擬面接も一人ひとり丁寧に実施されている。
大学につながっている高校では、どうしても大学進学が「当たり前」「エスカレーター」と捉えられ、なかなか主体的な動機や理由が備わらない傾向にある。成城大学への進学に際しても、「なぜ成城大を選んだのか」「この学部で具体的に何を学びたいのか」が大学からは問われることになり、高3の担任としてはその動機を生徒にしっかり持たせて送り出したいところ。そうした中で、この3学期の取り組みは、面接練習という体裁をとりつつも、生徒に具体的な大学生活とその先の職業選択・進路のロードマップを携えて成城大学の門をくぐってほしい、という意図があって行われている。

さて、今日は2月27日。本校でも一連の入試が終わり、2026年度に向けた準備もあちこちで始まっている。今月12日ですべての入試もおわった。このブログを読んでいるわけだから来年から成城学園に通うことが決まった保護者の方も多いと思うが、合格をゴールにせず、絶えず「あなたは何のためにこの学校に入ったの?」「この学校で学ぶことで、どういう人生を送りたいの?」とお子さんに問い続けていただきたい。6年後そして3年後の自分が、受験に苦しんだこの時期を振り返った時、「あの時の選択は正しかった!」と胸を張って言える自分であってほしいと切に願う。

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※画像は一部加工してあります。

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