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2025.07.18
とある外部での合同説明会のワンシーン。
「成城学園中学校高等学校」のブースにて。母親と小5の女の子。
母:「すみません、今回初めてこういう場に来たもので、成城学園のこともよくわからないのでどういう学校か説明していただきたいのですが…」
わかりました。ちょっと逆にこちらからお聞きしたいんですが、なぜ成城学園のブースに来られたんですかね?
母:「あ… 大学付属校っていうこととか、なんとなくのんびりした育ちがいいお子さんが通っていらっしゃるのかな…と」
いえいえ、実はウチはかなり体育会系の学校なんですよ。子どもたちも元気で活発です。高級住宅街にあるからかなんとなくのイメージで皆さんそうおっしゃいますが…。じゃあ、少しこちらからご説明しますね。
母:「はい、お願いします。」
まずウチの学校は、先ほどお話にあったように成城大学が上にある学校ということで、いわゆる大学進学のための予備校のような学校ではなく、中高6年間で、中高生活を存分に楽しんでもらって、他の学校では経験できないような豊かな経験をたくさんしてもらおう、という学校なんです。
例えば、中1と中2では、海の学校、山の学校という、成城学園の看板ともいえる行事があります。海では、千葉県南房総市で3泊4日、ライフセービングのプログラムを取り入れた生命教育と、隊列泳を中心としたプログラムをおこなっています。心肺蘇生法を学んだり、泳げる子だと1kmちょっと、足のつかない海で泳ぐんです。あ、あなたは泳げる?
娘:「水泳習ってます!」
お、それはいいね~!泳げる子はもちろんいいと思うけれど、まったく泳げない子も「必ず泳げるようにして」連れて行くんです。ライフセービングをやっている高校生がサポートに入るんですよ。
成城学園には学園の中に50m×8レーンの大プールがあって、だいたい5月の連休明けぐらいから中1の体育の授業は水泳なんです。成城大学がもっている「トレーニングセンター」には屋内の25mの温水プールもあって、そこを使うこともあるし、水泳部などはオフシーズンでもそこで練習できるんです。
母娘:(顔を見合わせて)「すごいね~!」
じゃあ先に成城学園の施設の話をしようか。これが成城学園の航空写真なんだけれど、成城学園がこの場所に移ってきてちょうど今年で100周年なんだ。この学校が新宿からここに移るまではここは雑木林でね、そこを切り開いて今の成城学園ができたんだ。だから、ほら、見てみて、サッカーと野球が両方できる第1グラウンドと、ラグビーの試合ができる第2グラウンドを学園の敷地の中に持っているし、中高専用のテニスコートも5面、バスケットボールの公式戦が2面で同時にできる大きな体育館も学園の中にあるんだよ。
母:「他の学校だと外の施設を借りて授業やったりしてますよね?」
そうなんですよ。ウチは外の施設を借りることはないんです。さっき「体育会系の学校」って言いましたけど、それもこれだけの施設を学内に持っているからできることなんですよね。他にも学校行事や部活動もたくさんあるんですが、ちょっとそれはまた後でお話ししますね。
で、今度は中2になると、山の学校があります。これがですね… ハイキングとか林間学校とかではなく、本格的な登山なんですよ。ちょっと待ってね… (スマホを見せて)これ、日本で5番目に高い槍ヶ岳っていう山なんだけど、中2で体力のある一番上のレベルの子はここ、ここの先に立つんだよ!この正面の槍みたいになっている山!
母娘:「え~~~っ!」
もちろん、体力とか高所恐怖症とかそういうことも聞きながら、希望を聞いて選ぶんですが、毎年60人の中2の生徒が槍に登ってるんです。
3日目とか、12時間ずっと歩くんだよ。槍は4泊5日で北アルプスを縦走するから、お風呂に入れない日も2日ある。われわれ教員も生徒と一緒に登るんです。
娘:(半分笑いながら、歪む顔。)
でもさ、お風呂に2日入れないとか、こんな高い山に登ることなんて、普段じゃぜったいやらないでしょ?でもそれでも、友達と一緒だと、やれちゃうんだよ。生ぬるくビニール臭い水でも、がぶがぶ飲めちゃう… そういう経験を中2というもっとも多感な、成長の節目に経験することって、すごいことだと思うんです。私も3度槍には登りましたが、夕焼けで真っ赤に焼けた槍の穂先を目の前で見たときと、この槍の頂上に立った時の達成感と感動は何とも言えない経験でした。
もちろんこの槍班は一番体力のある生徒達が参加しますが、他にレベルで白馬、唐松と分けますが全部2600m以上の山なんです。一番下のレベルの唐松は途中まではゴンドラとリフトであがっていきますが、頂上では雲海が目の下にある世界なんですよね。
海と山はもう70年近く続いている伝統ある成城学園の行事なんです。もちろん事故なく安全第一に進めているから、ここまで続いている行事なんですよね。こういう時代だからこそ、経験が大切だし、貴重なものになると思うんです。授業はスキルのある有名な先生の授業を繰り返しネットで見れる時代ですよね。でも、こういう経験はその場にいないとできないことです。これからの学校の価値って、そういうところが大きくなっていくと思うんですよね。だから、こういう行事を、ずっと大切に守っていこうと思ってます。
(どこかの回に、つづく)
※夏休みに入るため、副校長ブログはしばらくお休みさせていただきます。