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2025.05.23
7時40分着の通勤急行から成城学園前駅の上りホームに降り立つ。ほぼ同時に対面に到着する各停我孫子行きからの大量の乗り換え客と交錯し、階段にとりつくまで時間がかかる。今朝は横から年配のサラリーマンにどつかれた。ちょっとムッとする。
この時間はまだウチの生徒はそんなに多くはないが、階段を上がって改札まで来ると、駅の内外でチラホラ生徒を見つける。改札に向かって歩いている者もいれば、改札の中の壁にもたれかかってスマホをいじる者、改札の外では端っこの壁近くで友人と待ち合わせている者もいる。
この時間に目立つのは初等学校低学年の子らで、だいたい5~6人のグループで学校へと向かう。止まったり、叫んだり。輪になったり、固まったり。あまりひどい時には「ちゃんと右側に寄って歩こう~」と声をかけることもしばしば。駅を出ると、成城石井の壁際に初等学校の保護者の方が、ファミマを曲がった先には守衛さんが、成城木下病院の裏の通りにも初等学校の保護者の方が立ち、登校指導をしてくださっている。朝からご苦労様です。
この通りで、これまでに何度「ながらスマホ」を注意したことか。スマホ誓約書にもサインし、担任からもしつこく言われているだろうに。今朝もイヤホンをさしたスマホを、画面を見ながら歩いている女子を注意する。中1らしい。最初は筆者のことが誰かわからなかったようで、声をかけてもキョトンとしている。そのキョトンを咎めたら、「戸惑ったので」と。そりゃ知らないオジサンにいきなり何か言われたら戸惑うわなぁと、ひとり納得。
正門の前には守衛さんが2人立ち、行き交う車と横断する成城の子らの誘導にあたる。すんなり渡れる時もあるが、車が途切れないと横断歩道の前にけっこう人がたまることも。先頭の初等学校の児童は、守衛さんが持つ旗を待ちかねた風に揺らして、そわそわしている。「はい、渡ろう!」と旗があがると、初等学校の子らは猛ダッシュだ。「なんで走るんでしょうね~」と守衛さん苦笑い。
正門を入ると左に曲がる。この時期のこの石畳の通りは、新緑がつくるトンネルになっている。多少の雨ならしのげる、緑の屋根。ちょっと先の時期になると、次は群青、赤紫に彩られた紫陽花が咲きほこる、気持ちがいい通りだ。
正門左の緑のトンネル
杉の森をぬける
記念講堂の右手の階段を下る。後ろから来た女子生徒に「おはよう、みなちゃん」と声をかけられる。高3の女子生徒だ。「早いな。部活?」「ううん、飛翔祭」「ん?応援ダンスの練習?もうやってんの?」「うん、やってるよ~。じゃあ~ね」と階段を下りながらのやりとり。その後ろからやってきた同じ高3の男子生徒、筆者の肩を叩きながら「そういうこと!」と言いつつ横を駆け下りていく。女子生徒との会話を聞いていたのだろう。
杉の森を抜けて中高体育館の横を通ると、ケースに入ったボールをぶら下げた男子が数名歩いてくる。「おはよう」「おはようございます」と。男子バスケ部なのか、ただ体育館で遊ぼうとしているのか。
大階段の下まで来ると、グラウンド側からまた見知った高3の男子が自転車でコンクリ坂を上がってくる。私もそいつも声を出すでもなく、お互いチラっと視線をおくって軽く右手を上げあう。(おう、おはよう)(おはよう、さいきんどうだ)(まあまあだね)と、右手を挙げただけでそれだけの会話をしたような感覚になる。おそらく向こうもそう思っているだろう。中1からかかわっている高3の生徒とは、そんな関係ができている(ト、コッチハオモッテイル)。
守衛さんに挨拶をし、カフェテリアへ。自販機で身体に良さそうなクエン酸入りのジュースを買うのが最近のルーティン。…と、カフェの券売機前に女子生徒が2人。昼の食券は8時前から買えるようだ。外を見遣れば、多目的グラウンドはすでに多くの生徒の笑い声に包まれている。
階段を上がり、ちょっと大階段のほうに回ると、ちらほらとこちらに向かってくる生徒の姿。大階段を上がって東階段をあがろうとしているのは高2の生徒。生徒は思い思いの階段を使い、それぞれのフロアにあがっていく。
カードキーでドアを開錠、すぐのところにある自席にすわる。PCの電源を押し、手を洗ってうがいをし、立ち上がったPCでタイムカードを入力。7時55分。
これが、筆者の朝。
朝のうちに食券を買う
朝の多目的グラウンド
大階段へ向かってくる生徒
東階段に向かう生徒