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  • 2025.05.09

    副校長ブログ「ゆめみる」第42号 『入部調査』

GWの狭間の5月2日、教員間のグループウェアに生徒会担当の教員から、中学1年の入部調査結果が送信されてきた。高校は今週末に〆切とのことだが、一足はやく中学はまとまったようだ。

新入生の部活への入部は、新入生にとっても在校生にとっても一大イベントである。高校では、それぞれの部で作成したPR動画を生徒会が集約し、数日かけて昼休みの昼食時間に各教室のプロジェクターで上映し部員勧誘を行っている。いっぽうの中学では、毎年、記念講堂で「スクールガイダンス」と称する部活動紹介イベントが行われている。

この「スクールガイダンス」、通称「スクガイ」では、中学にある27もの部活が、あるところは部員が実際に登壇してパフォーマンスを、あるところは動画を作成してスクリーンで流すなどして、部の個性を競い合いながら新入部員を募集する。筆者は今年すべてを観ることはできなかったが、男子バスケットボール部はパス練習を披露しながら練習着やユニフォームを紹介し、書道部は模造紙2枚分はあろう大きな紙4枚への太筆での揮毫パフォーマンスを、大トリを務めるチア・バトン部は41名での迫力ある踊りを、それぞれ記念講堂の壇上で披露していた。中には「1年生がたくさん入ってくれないと試合に出られなくなるので…」「入部してくれたらすぐレギュラーです!」と、部活の窮状を訴えるところも…。休憩を挟んで2時間超の会ではあったが、新中1の245名はバラエティーに富む部活紹介に飽きることなく、「スクガイ」を楽しんでいたようだ。

本校では中学は毎年クラス替えを実施している。クラス内の人間関係の固定による弊害を防ぐことや、色々な子と友人になってもらいたいという意図からだが、一方で一生の付き合いになるような深い友人関係をつくる機会のひとつとして、部活がある。特にチームプレイの部活などは、3年間に喜怒哀楽のすべてが凝縮されるような活動となり、それだけ多くの経験も得られるし、仲間同士の紐帯も強い。

送られてきた入部調査のデータを見ると、245名の中1に対して、入部者の合計は248名。兼部は運動部と文化部、文化部と文化部は認められているので、中にはそういう子もいるだろうが、ほぼ100%の入部率である。内訳をみると今年は男子はサッカーとバスケットボール、女子はバスケットボールとダンスに集中しているようだ。それぞれ20名を超えるような新入部員になっている。これに中2と中3の部員が加わることになるので、これらの部活は一クラスの人数を優に超えるほどの大所帯になる。

教員の働き方改革が叫ばれる昨今、部活の数を減らす学校や、指導できる顧問がいる部活のみを開いている学校も多いと聞く。本校も多分に漏れず部活動の顧問の配置は頭の痛い問題だ。生徒が安心・安全に活動できることは第一であるが、一方で休日や祝日の大半を奪われる教員がいることも確か。部活という世界での経験値はそのままその生徒の一生の糧になると言っても過言ではなく、なかなか難しい問題ではある。
毎年「スクガイ」を観ると、成城学園の生徒のエネルギーに圧倒される。それだけ彼らの中に「部活」という要素が大きいことを示している。こうした成城学園のよき伝統を守り続けてあげたいと多くの教員が思っていることは間違いない。

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