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  • 2025.03.14

    副校長ブログ「ゆめみる」第39号 『面談日』

今日3月14日は「面談日」。
3学期制をとる本校では、毎学期の期末テスト後に3~4日間、授業がない面談日が設定されている。面談日の目的は「期末テストの得点個票を渡し、欠席数などに間違いがないか確認させる」ことと、「担任とともにその学期の学習面や生活面の振り返りを行うこと」の2つになるだろうか。最終的な評定がつけられたいわゆる通知表は終業の日に配付されるが、この面談日の個票でほぼ学期成績がわかるため、高校進学を控えた中3や、すべての学期成績が大学進学に影響する高校生にとっては緊張の日となる。

中学の担任経験が多い筆者の、「面談日の周辺」を紹介してみたい。

おそらく担任の多くは、生徒に「振り返りシート」を書かせて、この日に持ってこさせる。そのフォームは担任それぞれだが、筆者の場合は、テスト科目の得点や学習・授業態度についての反省、学校生活や部活動のふりかえり、クラスの様子や気になること、次の学期や学年に向けての目標をまとめさせる。B4用紙を二つ折りにしてその両面にぎっしり書かせる感じだ。そして最後に保護者からのコメントとサインをもらって提出させる。

面談のスケジュールは、一人20分の枠を名簿順にうめて生徒に示し、部活動の都合などから変更の希望がある者については相手と交渉して二人一緒に申し出れば認める形にしていた。自分で相手を探して交渉することと、言った言わないを避けるために二人顔をそろえて申し出をさせる形を取っていた。
その時間に理由なく遅刻したり、振り返りシートを忘れたりした場合には、その日の最後にまわすことをしていたため、生徒はまず遅刻せずにやってくる。

その面談の形も、通常は生徒と1対1で行うが、成績が不振な者についてはこちらから指名して担任・本人・保護者の三者面談を、生徒面談の枠外に設定した。保護者だけでの面談はだいたい希望制にしていて、一人30分の枠を取って面談に対応した。毎回20枠前後を面談日の午後に設けていたが、33人クラスで、多い時で15人前後の希望があったと記憶している。

面談の内容も人それぞれで、成績のことや勉強の方法について半ば一方的に説教する生徒もいれば、ずっとしゃべりっぱなしの生徒の話をふむふむと聞いている面談もある。以前のブログでも書いたように、口が重たい子も中にはいるが、多くの生徒は結構フランクに話してくれることもあって、筆者にとって面談日は生徒とじっくり話せる楽しい時間だった。色々つらいことがあって泣きながら話す生徒もいたし、逆に大きな成長が見られた生徒には褒めたり励ましたりしながら、こっちが涙をこらえられない面談になったこともある。

保護者面談についても、成績が大変な生徒の保護者は別として、多くは、わが子への愛情を微笑みながら話す親の話を、相槌を打ちながら聞いていることが多かった気がする。「うちの子は学校ではどうですか?大丈夫でしょうか?」と言いつつ、大概は息子自慢、娘自慢でおわる。悪い意味ではなく、親子関係がうまくいっているが故のことなのだろうと、こちらもそのまま受け止めて聞いている。笑顔の親の顔をみるのは、こちらもうれしいものだ。

筆者のような面談をしている担任もいれば、もっとドライに向き合っている担任もいるかもしれない。一律に「こういう面談をせよ、こういう資料を提出させよ、面談の様子を書面で報告せよ」というようなことをしていないのが、ウチの学校。それがいいのか悪いのか、最近では面談にかぎらず「担任によって対応が違うのは不公平」との声もちらほら聞こえるようになった。気持ちはわからないでもないが、教員とてそれぞれに個性があり、その個性を一律に打ち消すような「管理」をすることが、生徒の教育に本当にプラスになるのかどうかはわからない。だが、この面談にこそヘンテコな制約を課したくないと、筆者は思ってしまう。なぜなら、教員が腹を割って一人一人の生徒とじっくり話す機会なのだから。マニュアルに基づいた対話なんて、双方にとってつまらない。

この面談日が終わると、3学期は離任式、終業式と続くことになる。コース制をとる高2を除く全学年がクラス替えとなり、新たな春を迎える。担任にとっては、1年間付き合ってきた生徒たちとの別れの面談でもあり、色々な思いが去来する時でもある。

面談日を離れてはや2年。こうしてあの時間を振り返っていて、懐かしい。

※春休みに入るため、副校長ブログはしばらくお休みさせていただきます。一年間お読みいただき、ありがとうございました。

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