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2024.10.25
東棟2階の中1学年のフロアには、3教室分の広さがあるActive Learning Zone と呼んでいる教室群がある。ホワイトボードにもなる稼働壁で2~4教室に仕切ることができ、床はOAフロア、昨年ようやくキャスター付き・スタック可能な机といすが入り、文字通りアクティブな生徒の学習に対応できる空間となった。
この Active Learning Zone の一角に、昨年度の卒業記念品として「ラウンジ」を整備してもらった。大きな円卓がふたつ、アウトドアで使うような布製のチェアや、スツールとサイドテーブル。プレゼンの確認や練習ができるようにと、43インチTVモニターも置いてもらった。生徒同士や、生徒と教員がコミュニケーションできる空間であると同時に、廊下側は全面ガラス張りのため、対面の中1教室の生徒の様子を見守ることができる。近年は「ラーニングコモンズ」という名前で、大学や図書館を中心に必須の空間として整備されているようだ。
最近このラウンジをより有効活用したいということで、「副校長とLunch Meeting」と銘打って、ランチを食べながら生徒と語り合えるような企画を始めた。意図としては、学校生活や授業、部活などでの生徒の悩みや意見を直接拾い上げたいということだが、現状での「客」は2年前まで担任していた高2の生徒たちや、バトン部OGの高校生たち。思い思いに友達を誘ってきては、進路のこと、友人のことなどを話していく。時には筆者に意見を求めてくることもあるが、先日やってきた女子3人は、ひたすら目の前で女子会を繰り広げていった。こちらのことをあまり気にもせず、まあいろんなことを話していく。参加(?)していてとても面白い。
こうして彼らの会話に参加してみると、彼らがとてもフランクに話してくれていることに気づく。フランクさには良し悪しもあるだろうが、彼らの本音に接したいと思っているこちらにとっては、そのフランクさは本当にありがたい。「あのう…、ここに副校長がいるんですけど…」と突っ込みたくなることもしばしば。性格は人それぞれだが、こちらに気を遣うことも、こちらが気を遣うこともなく、彼らとコミュニケーションできることは、本当にラクだし、意味のあることだと思う。筆者にとってもシアワセなひとときだ。
すべての教員が私と同じように感じるかどうかはわからないが、人間関係がうまくいかないことや、まわりにうまくなじめなかったり疎外感を感じたりすることも多い中高生時代、大人と互いにフランクに会話できるということは、ある種大切な「生きるチカラ」だと思う。
キャスター付きのスツールが遊具になる中1が去った後に、まじめに話したい、とお弁当を片手に高2がやってくる…。こうしたひと時を共有できる時間と空間は、筆者にとっても貴重な「居場所」になっている。