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  • 2024.05.31

    副校長ブログ「ゆめみる」第24号 『「ウチねぇ!」の応酬』

最近の女子生徒たちは自分のことを「ウチ」と呼ぶらしい。たまたま昼休みの巡回中に中1の女子に聞いてまわったら「わたし」派と「ウチ」派と半々ぐらいだったが、よく女子生徒同士が「ウチねぇ!」「ウチはねぇ!」とやり取りしているのを耳にする。

それを聞いていると、会話になっていないよなぁ…と思うことが多い。
Aが「ウチねぇ、昨日1時に寝たんだ~」というと、Bは「ウチはねぇ、いつも10時に寝るよ」と返し、Aは「ウチは12時前に寝たことなんてない」といい、Bは「ウチはお風呂入ると眠くなるんだよね~」と返す…。

おわかりだろうか。つまり「自分のこと」しか話していないのだ。

Bが「なんでそんなに遅いの?」とか「え?そんな時間に寝て次の日は眠くならないの?」となれば会話にもなるだろうが、はたで聞いていると根くらべかと思うほど、「ウチねぇ」「ウチはねぇ」とやり返している。笑ってしまうほどだ。

成城の生徒はコミュニケーション力が高いと言われているが、「おいおい、大丈夫か?」と言いたくなる場面に遭遇することも多い。まず相手の話を聞き、その話を受け入れて反応してあげることはコミュニケーションの基本。それでこそ、相手からも「自分は受け入れてもらえている」と感じてもらい、2人の間にコミュニケーションが成立する。

なんで「ウチは…」の応酬になるのだろう。
ご家庭ではどうだろうか。まずは子どもの話を聞いてあげるのが保護者の役割かとは思うが、過剰な「主役待遇」で接していないだろうか。

ブログを読んでいる保護者の方、あるいは生徒でもいい。普段の会話の中で、相手の話を聞いて、その話の内容に対する返しをちゃんとしてあげられているか、ちょっと気にしてみたらどうだろう。保護者の方も、たまには子どもが知らぬ自分自身のことや、LINEニュースに入ってくる話題などをぼやいてみて、子どもがそれをどう受け入れて聞き返してくれるか、試してみたらどうだろう。

これからの人生、「聞き上手」になって損なことはあまりないだろうから。

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