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  • 2024.05.17

    副校長ブログ「ゆめみる」第23号 『えとゑ』

校舎の廊下の天井に配してある「ルーバー」。
そもそもは廊下の天井にはルーバーだけを並べて、その上に配管を置く計画だった。配管がどのようにめぐっているか見えるのも面白いだろうと。結果的には、空調効率やホコリなどの懸念が指摘され天井を張ることになったが、ルーバーはデザインとして残る格好になった。

そのルーバーにはこの校舎を建てた当時の校長がチョイスした、世界各地、さまざまな時代の「名言」や「ことば」が彫り込まれている。担当してもらった設計会社のアイデアをいただき、東西棟の各階のルーバーに彫られた名言が、すべて地下1階のコリドーにある木積層壁にも彫りこまれている。「言葉降り積もる学び舎」というコンセプトだ。

これまでのブログでもこの校舎になって8年経ったことは紹介したが、先日、試験監督をしていたある国語の教師が、何気なく廊下のルーバーを見て気づいた。「先生!えとゑが逆になってます!」と。
そう、「いろはうた」である。何度も校正したはずなのに、何人もの人に見られてきたはずなのに、8年も経ってようやく気づいたわけだ。

「これ、当時の校長がしかけたトラップでは?」
「誰が気づくか、実は待っているとか…」

そういう声もあがったこの「えとゑ」。
当時の校長に話したら「え~、ぜんぜん気づかなかった!」と大笑い。

表面を削って彫りなおしてもらうか、費用がいくらかかるのか、そんな話が聞こえてくる中で、筆者は心の中で笑っている。(ソノママニシテオケバ?)と。

次に「トラップ」に気づくのは、何年後の誰だろう。
他にももっと気づきにくい「トラップ」があるかもしれない。

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