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  • 2024.03.15

    副校長ブログ「ゆめみる」第20号 『菊地さんの答辞』

3月10日、高等学校の卒業式が行われた。

卒業生代表の菊地理沙子さんの答辞は、とても力強く、感動的なものだった。
筆者の勝手な思い込みだが、前回のブログで「成城プライド」への不安をぼやいた私への、極めて明快な回答だったと、私は感じている。

彼女は高校から成城学園に入学した生徒だったが、「誰にでも分け隔てなく声をかけてくれる成城生のやさしさと寛容さに何度となく助けられた、ありがとう」と堂々と語ってくれた。「目をちゃんと見て、しっかり自分の想いを伝えてくれる友人に感謝している」と。

それだけではない。彼女は、「こうした姿勢こそが、今の世界には求められている。自分たち成城生の良さを、これからの社会に役立てていこう。災害や紛争が絶えない世の中だが、今こそ成城生のような誰にでも壁を作らずに声をかけ、受け入れ、仲良くなれる、そういう人材こそが必要なはず。われわれ成城の卒業生が、その中心となって活躍していこう。成城生はもっと社会の力になれる、世の中の光になれる」と、卒業生そして在校生に強く訴えかけたのだ。

これこそ、筆者が生徒たちに求めていた「成城プライド」じゃないか。

菊地さんは成城学園で3年しか過ごしていない、今回の卒業生の中でもっとも成城歴が浅い集団のなかのひとりだ。もしかしたら、だからこそ「成城プライド」を濃く、強烈に感じてくれたのかもしれない。

高1や高2の生徒は、卒業していく彼女の呼びかけをどう聞いただろう。それこそ「成城っ子」を自認する、幼稚園や初等学校から成城で過ごしてきた生徒たちはどう聞いただろうか。彼女が語る「自分たち成城生のチカラ」を、彼女の口から力強く語られた「成城プライド」を、しっかり受け止めてくれたと信じたい。

副校長なんて役職になると、色々とつらい部分も見ることが多いが、「おい!そんな卑屈になってどうするんだ!」と、肩をポンとたたかれたようなさわやかな卒業式だった。

※春休みに入るため、副校長ブログはしばらくお休みさせていただきます。
 一年間お読みいただき、ありがとうございました。

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