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  • 2023.07.07

    副校長ブログ「ゆめみる」第7号 『いきもののはなしふたつ』

ある日の部活指導の帰り、中高体育館と大学体育館の間の通路に中学生の女子生徒が数名集まって何やら騒いでいた。どうしたのかと聞くと、擁壁にあいた排水口に鳥が巣をつくっていて、1.8mほどの高さの排水口の穴からひなが地面に落ち、もがいているのだという。

生徒たちは戻してあげたいものの触るのも怖いし、自然に巣から落ちたものを人間が戻すのも良くないと思っていたらしく、みんなで「どうしよう、どうしよう…」とただ見守るだけだったようだ。私も一瞬は考えたが、ここは生徒の通学ルート、ひなが踏まれて死ぬのを見るのもしのびなく、排水口の穴にひなをもどし、簡単に落ちないように内側に木の葉を添えた養生テープで排水口の下の方に壁をつくってあげた。生徒たちも喜んでくれた。

それからしばらく様子を見ていたが、親鳥が中で寝ている様子がみえたり、穴から飛んでいくところを見たりと、無事ひなを育てているようだった。
生物が専門の中村校長も巣のことを知っていて、鳥はシジュウカラだと教えてくれた。中村校長も観察してくれていたらしく、はじめひなは3羽いたようだが、今は1羽しか確認できないと…。1羽は下に落ちて死んでしまったようで、もう1羽も「奥のほうで死んでいるのかもね…」と話してくれた。

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先日、朝出勤したら、守衛さんから声をかけられた。朝の開錠巡回のときに、中高校舎の大階段正面にあるツタが絡まったカエデの木に、2mはあるヘビが逃げ込んでいるのだという。太さも5~6cmはあったと。これから生徒が登校して来るので、様子をみながら用務員さんと駆除作業をします、とのこと。聞けば、アオダイショウではないかと。毒ヘビではなさそうでまずは一安心。

「ヘビに注意」などと看板でも立てておこうかと思ったが、そんなことをしたらまさしく「やぶ蛇」、中1の男子などよろこんで木をつつきかねない…。

その後、事務室のスタッフと用務員さんが木の周りを確認したところ、上の方に伸びた枝に沿うように絡みついていたヘビを見つけたのだそう。つついたりして落ちてきたヘビを捕獲し、グラウンドの外側を流れる仙川に放ってきた、との報告を受けた。

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成城学園が、新宿にある成城中高の敷地からこの地(当時は砧村といった)に移転してまもなく100年。学園の中には当時をしのばせる雑木林がまだ残っている。23区の外れにあるとはいえ、新宿から急行で15分の地で、普段の学校生活の中で生身のいきものに接することができるのも、自然豊かな成城学園の魅力と言えるだろう。

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