梅雨入りし、うっとうしい日が続いております。 本校では、飛翔祭(中高体育祭)が、無事終わり、次は、文化部の活躍の場である文連週間が始まりました。22日の中学校学校見学会にお越しの際は、是非、コリドーに展示されている作品等もご覧頂ければと思います。
 さて、今回のゲストは、7月にシカゴで開かれるタップダンス・フェスティバルに日本代表として出場する中学2年生の女子生徒に話を聞きました。学校という場では、あまり馴染みのない競技ですが、タップダンスの魅力を聞いてみたいと思います。

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日本タップダンス奨学金制度のオーディションを受けて、見事シカゴ・タップダンス・フェスティバル日本代表として出場するとのこと、おめでとう。
K) 有難うございます。
タップダンスは、何歳から始めているのですか?
K) 小学校1年生からやっていて、今年で8年目になります。幼稚園の時に、母がバレエをやっていた影響で、私もバレエをやっていたのですが、バレエを辞めた後に、それまで使っていたバレエ・シューズの底にクリップを付けて、鳴らして、遊んでいたのがきっかけです。
お母さんは、バレエを続けさせたかったのではないですか?
K) その思いはあったと思いますが、今、またバレエを始めました。どちらかというと(バレエは)体力作りを目的にしています(笑)。
オーディションの時の様子を聞かせて下さい。エントリーしたきっかけは、何ですか?
K) まず1つは、外国人の一流の先生からレッスンを受けられることです。そして、シカゴで日本代表として踊ることができ、更に、帰国後もシカゴでパフォーマンスを披露した子ということで、日本国内の公演で、いろいろな舞台に立てるチャンスがあったからです。今回、18歳以上のカテゴリーで対象年齢に達していなかったのですが、大学生や大人の人に混ざっての出場でも運よく特別に選ばれることができました。
この出場をきっかけに更に目標が大きく広がるね。ところで、タップダンスの魅力って何ですか?
K) 自分でも何でやり続けているのか不思議ですが、タップを日本で広めたいという気持ちが強いからかも知れません。初等学校でも音楽の会とか劇の会で、(みんなの前で)披露する機会が持てたのが、とても嬉しかったです。みんなに自分がタップをやっていることを知ってもらいたかったからです。
人前で演じることが、好きなんだね。
K) いいえ。初等学校時代は、目立つのが嫌で、脇役希望だったのですが、今は、一流の先輩方と同じ舞台に立ちたいというのが、正直な気持ちです。
一流のタップダンサーに必要な要素は、何だと思いますか?
K) 以前に、すごく偉い先生からこんなことを教えてもらいました。「どんなに技術があっても、どんなに覚えが早くても、最終的に残るのは、心のある人だ」と言われました。たとえ不器用でも思いやりとか諦めずに努力するとか、器用な兄と不器用な弟とのハインズ兄弟※を例えに教えて頂きました。
タップダンスに限らず、あらゆることに共通する教えだね。ところで、勉強との両立は、大丈夫ですか?
K) 今、これが一番の問題で、テスト直前にリハーサルと本番が重なってしまった時は、大変でした(笑)。勉強以外でもギター部に所属しているのですが、タップの練習があるので、合宿とかにも参加できないのが、とても残念です。
勉強も頑張ってよ(笑)。それでは、最後に将来の夢を聞かせて下さい。
K) 今回、シカゴに行くことを踏まえて、日本代表として、日本に貢献できるように頑張りたいです。もっと日本にタップダンスを広めたいと思います。(タップダンスを知らない人からも)興味のない人からも、すごいねと思われる人になりたいです。
将来、日本の第一人者となるタップダンサーとなれるよう頑張って下さい。また、シカゴでも最高のパフォーマンスを披露してきて下さい。帰国したら、報告に来て下さいね。今日は、いろいろな話を聞かせてもらって有難う。
K) 有難うございました。

※兄モーリス、弟グレゴリーのハインズ兄弟は、当代随一のタップダンサーと知られ、俳優・振付師としてテレビや映画で活躍した。

 どの質問に対しても、直ぐに笑顔で明快な回答をしてくれて、心から応援をしたくなる生徒でした。また、成城学園の個性尊重の教育に相応しく、周りに流されることなく将来のビジョンもしっかりとしており、なんと言ってもタップダンスを通して、日本にタップの文化を広める第一人者になりたいという将来の夢には感心しました。成城には、様々な分野で将来の日本を背負って活躍する可能性のある生徒がいるというのは、本当に楽しみです。

  • 日本タップダンス奨学金制度(JTSP)のポスター
    日本タップダンス奨学金制度(JTSP)のポスター