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  • 2023.10.13

    副校長ブログ「ゆめみる」第11号 『居場所』

緑が豊かで、広い敷地をもつ功罪はそれぞれある。

どちらかというと「罪」の方がクローズアップされることが多いかもしれない。「蜂や蚊が多くて困る」「大学の敷地や大学コンビニに行くことは禁止」…。特に昼休みなど、生徒の行動範囲を制限しないとどこに行ってしまうことやら…。生徒の学校生活を「管理」の対象とするのであれば、昼休みにあちこち散ってしまう状況はよろしくはないだろう。実際にゴミの放置や、机上の食べこぼしのことなど聞こえてこないわけではない。

ただ「功」の部分もたくさんある。例えば写真のように、コロナ禍が明けたことで生徒はどこで昼食を食べてもいいことになった。校舎内のコリドーやラウンジにあるテーブル、人工芝の大グラウンドに面したスタンド、「100年の森」の中のベンチ…。

学校という、生徒が長い時間を過ごす場に、多彩な居場所があることは悪いことではないのではないか。ときにグラウンドでボールを蹴り、ときに森の中でかくれんぼをし、ときにトイレ(女子トイレだけだが)に設置されているベンチで談笑し、ときに図書室で黙々と自習をする…。学校という空間が、生徒のいろいろな「カオ」や「ココロ」を受け入れてくれる場であることは、むしろいいことなのではないかと思う。この世知辛い社会の中で、逃げ出したくなることだってあるじゃないか、と。

「不来方のお城の草に寝転びて空に吸はれし十五の心」

授業を抜け出していいとまでは言わないが、石川啄木のこの心性、うちの学校なら受け入れてあげられそうに思う。


(生徒の顔には修整を加えてあります)

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