音楽研究部

研究方針

【1】音楽活動の大半は、すべての学年において歌唱を中心に行う。

学園創立100周年を経た現在も、私たち音楽科の認識が大きく変わることなく、「自らの身体を楽器とする歌唱は、技術的な準備もさほど要さず取り組むことができる上、直感的かつ人間的で、本質的な音楽活動」であると考えています。


【2】「歌うこと」は、子どもたちの心身を解放し、「音楽を楽しむ心」を深め、素直で瑞々しい感性、豊かな表現力をますます広げていく。

「歌は音楽の礎であり、母胎であり、本質である」 本校音楽教育の第一の柱である。
音楽科の活動ではいつも「子どもたちの発達段階に応じた心の動き(感動体験)を起点とし、一人一人が自分なりの音楽の楽しみ・喜び・味わいを見つけていけるような、真の音楽体験を目指すこと」、また「個々の感覚や感性が、子どもたち自身の力で相互に刺激し合い、時にはぶつかり溶け込んだりを繰り返しながら、互いを高め合っていける授業づくり」を目指したいと考えています。


【3】「歌うこと」と「聴くこと」、「表現」と「鑑賞」を表裏一体のものととらえる。

「歌うこと」は「表現」活動の1つであるが、本校では、「聴くこと」について「聴く力=鑑賞力のひとつ」であるととらえ、授業においては「聴唱法を基本とした音楽的アプローチ」をより重視しながら「表現」活動を深めていきます。


【4】成城の音楽教育は、通常の授業と音楽の会の両輪で成り立つ。

2019年12月に第100回を迎えた「音楽の会」は本校の伝統であり特色ある学校行事のひとつです。全校児童が講堂に集い、日頃の授業の成果を発表するとともに、他学年/他クラスの演奏を目の前で鑑賞する場はまさに、「表現」と「鑑賞」が同時に実現し、その空間その仲間とならではの「瞬間的で奇跡的な感動体験」は、本校の情操教育における極めて重要な場面として位置づけられています。

2025年度研究テーマ:内面の豊かさを育てる音楽科の授業の創造

 音楽科における子どもたちの内面の豊かさとは「心が解放(子ども一人ひとりの心が動き出し、「~してみたい」という気持ちが生まれること)」できる状態にあることと考えます。
自分自身の心や身体のコンディション、安心できるクラスの友達や先生がいること、落ち着いた広い音楽室、授業に集中できる座席や机があることなどの「平穏で健康なこころ」が整った状態であることが、音楽活動そのものに興味関心を持つことのできる原点となる。その上で、音や話を耳で聴いたり、友達の歌う姿や発言する姿を見て、子ども一人ひとりの心が動き出す状態(感動)があります。さらに、自分が感じた音楽のよさを、思いをもって表現や鑑賞できる状態になると考えます。
 自分に関する「内面の豊かさ」同様、まずは音楽活動そのものに興味関心を持てるこころの状態が整っていることが原点となります。次に、友だちの存在を認め、一緒に活動できるよさを感じることができる状態。そして、友だちと一緒に活動できるよさを感じながら、思いをもって表現や鑑賞できる状態になります。
 音楽科において「子どもたちの内面の豊かさが育まれたり発揮される具体的な活動や場面について」は、まずは音楽活動そのものに興味関心を持てるこころの状態(居場所や居心地の良さを感じられる活動)があること。自分に関する「内面の豊かさ」としては、音楽のよさを感受し、自分なりに味わい、感じた音楽の良さを、さらに思いをもって表現や鑑賞ができること。相手や他者に向けられる「内面の豊かさ」としては、友だちの存在を認め、一緒に活動できるよさを感じることができ、さらに、思いをもって表現や鑑賞ができることと考えます。
 教師の役割として、「安心して過ごせる環境づくり」をこころがけ、教師の態度や声がけに気をつけ、子ども一人一人を大切にする姿を意識すること。また、教師自身が音楽のよさを感受し、自らの表現に活かす。伴奏や演奏の工夫、曲の提示の仕方、聴く活動の充実性、子ども自ら選択したり挑戦できる教材を取り上げる、個人へのアプローチ、表現と鑑賞の場面を意図的に授業の中でつくる、子ども同士の協力、協働場面を設定する、誰もが安心して発言できる環境づくりを目指します。