幼稚園生活

10月17日(金)に、年少組で造形活動を行いました。講師は、彫刻家の高橋智力先生です。
絵の具を使い、楽しんで取り組んでいました!
ともりき先生よりひとこと
「しかくのメロディー」
板チョコのように小さな正方形が、整然と並ぶ発泡スチロールの板。
子どもたちは、この「秩序のある形」と無意識に向き合うことになるので、ただ自由に塗るだけの活動ではなく、「どう塗ろう?」という問いが自分の中に自然に生まれる素材です。
四角ひとつずつをリズムよく塗り分ける子、溝の線に沿って模様を描く子、
全体を包み込むように大胆に色をのせる子など、その表現は一人ひとり異なります。
整然とした規則性の中で、自分のリズムや表現の仕方を見つけ出し、色や形に対する興味がのびやかに広がっていきます。
色を塗る為の絵の具は、各テーブルにそれぞれ違う色の絵の具と筆を置き、子どもたちは作品を両手に持って、好きな色を探しながら制作を進めました。
「どの色を使おうかな?」
「あっちのテーブルには何色があるかな?」
教室の中を歩き回りながら、自分の感性に導かれて“色の冒険”を楽しむ姿がありました。
また、発泡スチロールという素材は、平面の紙とは異なる塗り心地をもち、絵の具ののり方や筆の感触の違いを発見させてくれます。
その「違い」を通して、子どもたちは素材と真剣に向き合い、新しい描く世界への扉をまたひとつ開きました。
大人の用意した整えられた四角の秩序と、子どもたちが生み出す自由な色の世界。
そのあいだで響きあうリズムこそが、「しかくのうた」です。
一人ひとりの手の中で奏でられたその歌は、“感じて選び、試して発見する”という、幼児期の造形の原点を映しています。
(造形活動講師・高橋智力)