幼稚園生活
5月27日(月)、年長組で造形活動をおこないました。講師はこれまでの造形の時間もご担当いただいている彫刻家の高橋智力先生です。今回は、右手と左手を順番に使って絵を描いてみました。
最初は、利き手と反対の手を紙の上に置き、利き手を使って色鉛筆で手の形をなぞります。「なぞった手の形の向きを変えてみよう。何に見えるかな。なぞった手の形が別の絵になるように考えてみてね」。早速、自分の手をなぞり、かたどってみます。かたどった形にカラフルに色を塗ったり、お花を描いたり、お魚を描いて海の世界を表現したり。思い思いに楽しい絵を完成させました。
2枚目は反対の手を使って挑戦。利き手を紙の上に置き、利き手と反対の手を使って手の形をなぞります。手をかたどったら、そのまま反対の手で絵を描いていきます。「難しい!」「力が入らない!」「描きにくくて、手が疲れるね」。苦戦する声が次々と聞こえてきました。「上手に描こうとしなくていいよ。しっかり紙を押さえてね」智力先生のアドバイスを聞きながら慎重に手を動かす子どもたち。とても上手に手を動かして作品を描いていました。
最後に智力先生から「反対の手で絵を描くと、思うように手が動かないよね。右手と左手で役割が違っていることが分かったかな。」とお話しがありました。いつもと違う感覚の体験を通じて、新たな発見や気づきがありました。
まずは利き手を使って手の形をなぞります
自分の手をじっくり観察しながら描き進める様子も
2枚目は利き手と反対の手を使って挑戦!
集中して取り組む様子がみられました
なぞった手の形は何に見えるかな
楽しいアイデアを思いついた様子
3枚目は自由に好きなものを描きました
両手を描いてみたり…
グーの形にしてなぞってみる子も!
素敵な作品が完成しました
ともりき先生よりひとこと
「右手の絵と左手の絵」
様々な創作活動を通じてたくさん想い、そしてその想いを伝える創作活動で当たり前の様に活躍する自分の両手。そんな自らの手の大きさや形、そして役割について、今一度落ち着いて自らの注意を向けてみる事で、そこに新しい発見があるかもしれません。そしてその発見から生まれる新しい気持ちもまた、自分の世界を更に広げてくれる、貴重なきっかけとなってくれるかもしれません。日常の「当たり前」から「面白いこと」に着目し、自らそれを拾いあげ、感動する事が出来たら、子ども達自身、そして周りにいる私たち全員にとっても、より豊かで楽しい毎日が続いて行くに違いありません。
(造形活動講師・高橋智力)