幼稚園生活

最近の出来事

 3月7日(月)、年少組の造形活動を行いました。講師はこれまでもご担当いただいている彫刻家の高橋智力先生です。
 今回は色画用紙とのりを使った作品作りをしました。最初に好きな色の画用紙を各自が1枚選びます。その紙に、小さな短冊状に予め切られたいろんな色の用紙を何枚ものりで貼りつけて、好きな形を表現していきます。制作がスタートすると、のりで用紙を次々と貼り付けて、あっという間に画用紙に色鮮やかな模様ができあがりました。「のりっていろんな塗り方があるよね。みんなどんなふうに塗ったかな?」。先生が聞くと次々に手が挙がりました。「画用紙にのりをつける」「最初に用紙のはじっこにだけのりをつける」「画用紙に、貼り付ける用紙を載せてその上からのりを塗る」。のりを塗る方法を先生に聞く前に、制作に取りかかった子どもたちですが、いろいろなやり方で上手に貼り付けることができました。自分と違う方法もあること、どれも正解だけど使う場面や素材によって使い分けると良いことも教えてもらいました。
 同じ形、同じ素材を使って完成させた作品、今回も一つずつ全く違う、個性豊かで素敵な作品になりました。

造形の時間が始まる前の心の準備や作品制作に取り組む姿勢がいつの間にか身についてきた年少組の子どもたち

  • 先生のお話を集中して聞いています
    先生のお話を集中して聞いています

  • たくさんの色の中から、好きな色の画用紙を選びます
    たくさんの色の中から、好きな色の画用紙を選びます

小さく切った用紙を、色画用紙にのりで貼り付けていきます

みんなもくもくと作品作りに取り組みました。のりの塗り方が人それぞれ

先生とお話しながら作品作りを進めていきます

「先生できたー!」完成した作品にみんな満足そうです

年少組造形活動のねらい

連続する単一の形状が創り出す情景は手がける者のリズム感が反映されて、見ている側はそのリズム感に自然と引き込まれていきます。実際に全く同一のピースを繰り返し配置されているシンプルなはずの表現は、実にバリエーションに富んでいて、思わず目を奪われる作品やアイディアが子どもたちの手から次々に飛び出した時間となりました。

この日の内容ですが、繋げる、離す、重ねるといったフォルムの美しさの模索を、この体験の主軸としながらも、先ほども触れた音楽要素でもある、リズムの視覚的表現、色の組み合わせを思考するカラーデザイン要素、どこに幾つ棒を繋げると長くなったり、短くなったりするのかという、数の概念にも通じるちょっとした算数要素もスパイスとして加味するなど、これら以外にも沢山の要素を含んでいます。
ただし、こうした各要素について、なるべく言葉での直接的な説明は避け、実際の体験を通じて、子どもたちの指先から自然とすくいとってもらえる様に、この日の体験をデザインしています。

子どもたちへのお願いはたったひとつだけ。
「目の前の画用紙の棒を使って好きな様に繋げてね」でした。

制作が終わった後、最後に少しだけ「のり付け」について、何通りの実践方法があるのかを、みんなで確認してみました。自分で考え工夫しながら実施したすぐ後というタイミングもあり、子どもたちにとって興味深いトリートメントとなった様でした。
(造形活動講師・高橋智力)

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