幼稚園生活

コラム「たいこばしくん通信」

 早いもので今年も残すところ半月となりました。12月21日(火)は成城幼稚園のクリスマス会です。今回は、子どもたちが当日に向けてどのような活動をしているかを日々の様子と共に、時系列でお伝えしたいと思います。

① 園舎内を飾り付け
 「〇〇ちゃん(自分のこと)のお家クリスマスにしたんだよ!幼稚園もすればいいのに」園庭の紅葉も進んだ11月の終わり、年中組の女の子からこんな呟きが。聞くと、週末にお家の人とクリスマス飾りやツリーを出したとのことで、「キラキラのとか、こんな丸い形のとか、いっぱい付けたんだよ!」ととても嬉しそうに教えてくれて、この子にとってどれだけ楽しい時間だったかが伝わってきました。そして、その気持ちをお裾分けしてくれるような「幼稚園もすればいい」という可愛い提案に心があたたかくなり、「じゃあ、先生たちと話してみるね」と答えました。
 それから数日たった12月初日、幼稚園にクリスマスの飾りが沢山!「可愛い~♡」「ねえ見て!★★(アニメのキャラクターの名前)の雪の結晶みたい!!」「箱のところにもあったよ!」子どもたちの口コミでどんどん広がっていきます。飾りの提案をしてくれた子も登園してきたので、「〇〇ちゃんが教えてくれたから先生たちもお飾りつけてみたの」と伝えました(実際には毎年飾りつけをして12月を迎えるのですが、子どもたちにとって、自分の考えに大人が共感して動いてくれた!というのは嬉しいことです)。集まりで「〇〇ちゃんが教えてくれてね…」と話すと、他の子たちも「僕のお家もツリー出したよ」「ウチも!コンセントつけると(差し込むと)夜光るんだよ!」「もうサンタさん来る日?」(笑)と盛り上がる様子がありました。
 飾りの他にもホールや保育室で集まりの時にアドベントカレンダーでクリスマスまでのカウントダウンをします。年中・年長組では「先頭さん」と呼ばれるお当番さんがアドベントカレンダーの飾りを付けるので、いつもに増して「あと〇日で先頭さん!」と指折り数えて楽しみにしてくれています。

② オーナメント作り
 それから約1週間後、幼稚園の飾りを見て、皆もクリスマスオーナメントを作ってみよう、ということになりました。年長・年中組は形を作った紙粘土が乾いてからペンで色付けを、年少組は教師が型抜きした紙粘土にキラキラのビーズを埋め込みました。同じ紙粘土を使っての活動も、今までの経験や手先の運動を考え、年齢によって経験を積み上げていきます。

③ 点灯式
 どの学年も自分のクリスマスオーナメントを作り上げた数日後、ホールの天井に届きそうなモミの木が出現!登園してきた子が「わあ!ツリーだ!!」と大興奮で知らせてくれました。年少組の近くにも、もう1本のツリーがあり、園舎内のクリスマスムードは更に高まります。120人全員が、順番に自分のオーナメントをツリーに飾りつけ、「5・4・3・2・1!点灯!!」の掛け声と共にクリスマスツリーのライトアップです。「わぁ~!!」子どもたちから自然と拍手が沸き上がりました。子どもたちが作った飾りに彩られ、世界で1つだけのオリジナルツリーが完成しました!

ツリーの横に写っている、共同製作の「どうくつ」は、少し形を変えながら、まだまだ子どもたちの遊び場です
ツリーの横に写っている、共同製作の「どうくつ」は、少し形を変えながら、まだまだ子どもたちの遊び場です

④ 歌・合奏・ダンス
 歌唱はコロナ流行後、全面ストップでしたが、感染者の減少に伴い今年の10月からマスクを着けて再開しました。全学年で♪赤鼻のトナカイ♪を英語と日本語で歌います。英語は、ネイティブの教師から教えてもらい覚えました。ある保護者からも感想を頂いたのですが、文字ではなく、耳から入る子どもたちの発音の良さに驚かされます(もしかすると、覚えるのに必死なのは教師の方かもしれません…!)。

 当日披露する学年の歌、合奏、ダンスは年中組の取り組みを中心にご紹介します。
歌は、クラスや学年での集まりで繰り返し歌い覚えました。1番を覚えた時から、「いつ2番やるの?」とやる気十分な子どもたちでした。
 合奏は、タンバリン、鈴、トライアングルに分かれて演奏します。1学期から楽器に触れ、3種類の楽器を経験した上で、どの楽器にするかを自分で選びました。自分で好きに音を出すのではなく、皆で揃うと綺麗な音になる、ということを重ねて話し、止めるところや始まりと終わりに音を鳴らさないこと(これがなかなか難しかったようです)などにも気をつけながら練習に取り組みました。
 ダンスは日頃から大好きな年中組の子どもたち。最初の数回ですぐに振りを覚え、「う~ん!う~ん!のところ(喋らない雪だるまの振り)が好きなの!」と楽しみながら取り組んでいました。学年のダンスの他にもう1曲、年中・年長組でペアになって♪ジングルベル♪を踊ります。優しくリードしてくれる年長組に、年中組も嬉しそうです。

 練習を重ねていくうちに、「クリスマス会ってママたち来るの?」「みんなに見てもらいたい!」という声が聞こえるようになりました。「皆で頑張った歌と合奏とダンスをクリスマス会でお家の人に見てもらおうね」と教師が話すと、「緊張する~!」と言いながらも嬉しそうにしている子どもたちでした。
 行事に向けての取り組みでは、子どもたちに達成感を味わって欲しいという思いから、教師の指導にも熱が入り、時には厳しい一幕があったこともお伝えします。それでも、教師からやらされてやるのか、子どもたちが自らやりたい、頑張りを見てもらいたい、と思い取り組むのか。同じ活動でもそこには大きな違いがあり、成城幼稚園では後者を大切にしています。子どもたちも、ただ「楽しい」だけではなく、友達と気持ちを合わせたり、少し我慢して「頑張ること」の大切さを学び、その上で「楽しい」と充実感を味わって欲しいと願っています。

 各学年、子どもたちの興味や成長段階を見て担任を中心に曲目を考え練習しています。
 年少組は、初めてのクリスマス会!歌や楽器、ダンスを一生懸命練習中です。年中組はホールからダンスの曲が聞こえてくると、「これ懐かしい~♪」とちょっぴり先輩風を吹かせながら友達同士で踊るという、可愛らしい姿もありました。
 年長組も、歌やハンドベル、メドレーのダンスなど、年長組ならではの曲目を練習中です。年中組は興味津々で年長組が練習しているのを覗いて、「大きい組さんがキンピカの持ってた!」「それ綺麗な音が鳴るんだよ!知ってるよ!」「ちょっと覗いてきちゃった♡」と嬉しそうに報告してくれました。自分より年齢が上の学年のすることはとても大きく、すごいことだと感じる気持ちは大人になっても覚えがあります。「格好良いお兄さん、お姉さん」に「自分もそうなりたい」と憧れの気持ちをもつことを大切にしています。また、成城幼稚園の子どもたちはそう感じられる素直な心もってくれています。当日もきっと年少・中組の子どもたちは憧れの気持ちいっぱいで年長組を見ているのではないかと想像しています。

 「小さい組の時さ、サンタさん来たよね!」と昨年の経験を思い出し、楽しみにしている子どもたち。サンタさんに会うことが出来るのでしょうか?学園の記念講堂という大舞台でのクリスマス会にドキドキしているのは教師かもしれませんが、子どもたちを信じて、当日は楽しい一日となるよう準備を進めていきたいと思います。保護者の皆様は子どもたちの1ヶ月近くの日々に思いを馳せながら見ていただき、お家に帰ったら沢山褒めてあげてください!

 今年も「たいこばしくん通信」をご愛読頂きありがとうございました。感想を頂けるチャンスもあり、教師達の励みになっております。
 時節柄ご自愛頂き、どうぞ良いお年をお迎えください。来年も、子どもたち、保護者の皆様と楽しい1年にしたいと思います。来年もよろしくお願い致します。

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