幼稚園生活

コラム「たいこばしくん通信」

 終業式の前夜、1人ひとりの顔を思い浮かべてみて、全員が大きく成長した2学期だったと思っていました。自分の考えたことを実現し、自信を持って生活を楽しんでいる様子や、話を聞くのも、自分の思いを伝えるのも一段と上手になりました。それから、友達とのかかわりに喜びを感じ、クラス内でも今まで以上に色々な友達と遊んだり、それだけに留まらず、学級や学年を超えてその輪を広げている様子もありました。

 一方で、成長しているが故に今までは感じなかった事を感じるようになったり、気付くようになったり、一人ひとりの思いや主張が強くなってきている事で、うまくいかない経験も沢山しました。「一緒に遊びたい」思いやタイミングが時にすれ違ってしまったり、仲直りをするにしても、今までは「ごめんね」「いいよ」で終わっていた事も、色々な物事の道理も分かるようになってきて、すぐには納得出来なかったり、指摘に対して「分かってる!」と言葉が返ってきたり、と一筋縄ではいかない事も増えてきています。予測が立つようになった事で、失敗を恐れてチャレンジするのに二の足を踏むようになったり、今までとは少し違う姿も見られるようになってきています。時に乱暴な言葉を使ってみたり、話を聞く場面でふざけてしまったり、いけないと分かっていて止められない事もあります。

 そんな時には、どう振る舞うべきか、どうするべき場面だったか考える事を、自分で出来るように声をかけていきたいと思っています。具体的な答えを出してしまう時もありますが、怒られたり、言われなくてはできないというのではなく、自分で考えて行動出来た方が今後お子さんにとって無理がないと思うからです。人の迷惑になる事や他人を傷付けてしまう行為以外は、その時々に応じて、自分で気が付き、自覚が持てるよう声のかけ方を工夫していきたいと思っています。自分の行動を振り返ったり、相手の立場に立って考えたりという経験を繰り返し、心の揺れ動きや葛藤が生じると思いますが、それこそが成長の証だと思いますし、例えその時に時間がかかったとしても、大切にしていきたいと考えています。

 思いが強くなってきている時期の子どもたちの話を聞いたり、場合によってはなだめたり、と寄り添うことは簡単ではありませんが、話を聞いてもらえただけで、思いに共感してくれるだけで、気持ちが軽くなったり、前向きになれることは大人でも経験があります。子どもたちの経験は全て成長の糧になっていると思いますので、そこで成長した姿を認め、具体的に言葉にして沢山褒めることを保護者の方にもお願いし、子どもたちの成長を考えていきたいと思っています。

 今年も「たいこばしくん通信」をご愛読頂き、ありがとうございました。読んでくださった方々からの感想は、私たちにとって元気の源となり、またそこから多くの気付きを頂いておりました。感謝申し上げます。
コロナ禍ではありますが、ご家族皆様で楽しい年末を、そして良い新年をお迎えください。

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