幼稚園生活

コラム「たいこばしくん通信」

 お子さんと一緒に過ごす時間が長くなっている中で、参考にしていただけたらと思い、文章を書いてみました。

 皆さんはお子さんの自己肯定感、自尊感情はどのようにすると育つとお考えですか?私たちは、子どもの成長したところ、頑張ったところを、周囲の人が適切に認めて褒めることにあると思っています。

 大人になっても褒められることは嬉しいですよね。今ご家庭で過ごすことが多くなっている中でどれだけ褒める機会がおありでしょうか? 疲れてしまうと自分に余裕がなくなり、どうしても相手の良い面に目が向かなくなりがちになってはいらっしゃいませんか? またどのように褒めればよいか分からないという方も、いらっしゃるかもしれません。今回の文章を読んでお子さんと関わる際に少しでも役立てていただけたら嬉しいです。


自己肯定感、自尊感情は成長や頑張りを認めて褒めることで育つ

①子どもに伝わる話し方で
 まず、子どもにとって伝わる褒め方であることが大切だと思います。難しい言葉を使わず、分かるように伝えることが必要です。
 私は以前、「遠足の日は、幼稚園に集まるのではなくて、○○で待ち合わせね!」とクラスの子どもたちに説明したことがありました。すると、一人の子から「先生、『まちあわせ』って何ですか?」と質問がありました。「時間と場所を決めて、みんなで集まることを待ち合わせというのよ」と話すと、その子は、「あ~、なるほど」と言い、納得することが出来ました。大人が当たり前のように使う言葉でも、子どもにとってはまだ聞いたことが無い言葉の場合もあります。折角色々なことを話しかけたとしても、それが子どもにとって分からない言葉・難しい言葉では伝わりません。「この言葉は、理解できているかな…」と折に触れて立ち返ってみることも時には必要だと思います。

②具体的に褒める
 「すごいね」、「えらいね」、「上手だね」だけでは、どの部分が良かったのかが伝わりません。具体的に褒めるというのは、「今日は朝自分で起きられたね。すごい!!」「前は全然食べられなかったのに、ピーマンを一口食べられたね。かっこいい!」「自分で『ありがとう』ってお礼を言えたね。すごいじゃない!」「お料理手伝ってくれてありがとう。とても助かったわ。」など、良かった動作を細かく言葉で伝えるということです。具体的に何をしたことが良かったのか分からないと、次の頑張りに繋げられません。
 褒められて嬉しいという気持ちになると、褒められた行動を繰り返し、また褒めてもらおうとするようになります。これは、「頑張ったからおもちゃを買ってもらう」などの目に見える物質的なご褒美【外的報酬】ではなく、褒められた言葉が、【内的報酬…精神的な報酬(やりがい・充実感)】に繋がっているからです。物質的なご褒美がなくても努力する子は、この内的報酬を周りから充分に受けているからではないかと思います。

 褒められることで自信がついてくると、新しいことに挑戦する気持ちが湧いたり、「自分にもできる」・「自分は素敵だ!」という自己肯定感が高まります。このようにして、「自分が好き」と思える人はどうなっていくかと言うと、集団生活に出た時に、自分を大切にすると同時に、その気持ちを相手にも向け、お互いに認め合い、尊重するようになっていきます。

 成城幼稚園の教員は、良い所探しの名人です。そして、褒め上手です。幼稚園が始まりましたら、お子さん一人ひとりの良い所を沢山見つけ、伸ばしていく保育をしたいと思っています。どんな小さなことであっても大丈夫です。是非ご家庭でもお子さんを具体的に褒めること、楽しみながら挑戦してみてください。

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