幼稚園生活
友達の言葉で気持ちを立て直せたことはありますか?
「泣いてても時間が無くなるよ。皆探してるよ、泣き止んで行こう。」年長組のAさんはゆっくり語りかけました。この言葉で、場を離れて涙していた年長組のBさんは元気づけられ、元の場に一緒に戻ることができました。
外遊びの「鬼遊び」の出来事でした。
Bさんは、鬼になりたくなくなかったけど、最初の「鬼決め」に参加して、鬼になってしまいました。「鬼を代わってあげる」と言ってくれた人がいました。それをおかしいと言う人もいました。その様子を見て、「本当に(代わって)いいの?」と担任が参加する皆に投げかけると、Bさんは突然背を向けて走り出しました。数人がその様子に気が付き、Bさんを追いかけ、涙するBさんを見つけました。
AさんはBさんの気持ちを感じながら、慰めるだけでなく、Bさんは鬼遊びに戻って皆と楽しく遊ぶことが一番だと考えたのでしょう。Bさんの気持ちに寄り添いながら、仲間のことや時間のことを織り交ぜ、Bさんの姿をBさん本人に伝えています。そして、Bさんが自分で戻ろうという気持ちにさせてくれました。Bさんは自分で動き出し、Aさんがその手を取って、ゆっくり戻って行きました。時間を置いて見てみると、Bさんは笑顔で思い切り走り回っていました。
そんなBさん、お部屋に戻る時に転んだ年中組の子を見つけると、ずーっと離れず寄り添っていました。友達からもらった優しさは、自分がしてもらったように誰かにしてあげたくなるのですね。