幼稚園生活

コラム「たいこばしくん通信」

 6月に入り、園庭の紫陽花も綺麗に色付いています。雨で室内遊びをしていた日、集まりの中で「梅雨」について話しました。暖かい空気と冷たい空気が喧嘩していること、そうすると雨がたくさん降ること、それを梅雨ということを話すと、「梅雨!」と繰り返す子や、「梅雨って知ってるよ!」「ママも言ってた!」と様々な声があがりました。
 さてその翌日、空は梅雨の晴れ間で、園庭で思い切り遊ぶことができました。外靴を履きながら、「僕、こういう天気が良かったんだよ!」と嬉しそうです。外遊びを終え、お天気が良くてたくさん遊べて楽しかったね、とクラスの集まりで話をしていると、「梅雨なのに、なんで晴れているの?」という疑問があがり、皆で考えてみることにしました。「お外で遊びたかったからじゃない?」と自分の気持ちを話してくれる子や、「お日様が出たから晴れなんだよ」という子、お家の方と天気予報を見たのでしょうか、「夜から雨が降るって言ってたよ」との声も。「昨日、暖かい空気と冷たい空気が喧嘩してるって言ってたでしょ、だから晴れが勝ったってことだよ!」という意見に、前日の話をよく聞いてくれていたこと、それを覚えていて今日の話題と関連付けて考えてくれたことに感心しました。その意見に「そうかあ!」と納得する子も出てきて、話題は「晴れの勝ちで、喧嘩はおしまいか、おしまいではないか」にうつっていきました。「晴れているからおしまい」「おしまいではない」「勝ち負けじゃない」など様々な意見を出してくれましたが、最後に担任が「実はまだ喧嘩は続いていて、暖かい空気が勝つと、やっと夏になるの。」と話し「そのお知らせを梅雨明けって言うの。天気予報で、梅雨明けです、ってお知らせされると、喧嘩がおしまいで暖かい空気が勝って夏が来ますよっていうお知らせなの。」と話すと、「ふーん」と納得したような子と、まだ少し疑問がある顔をしている子もいました。少し難しかったかな、と思いつつも、興味をもって真剣に聞いてくれたことを嬉しく思いました。

 1人の疑問から話が広がり、それを受けてそれぞれが一生懸命考え、追求する時間は、集団ならではで、クラスでも大切にしたいと思っています。自分の意見をもつことの大切さ、それを発信する勇気、例え自分と違ったとしても1つの考えとして聞こうとする態度を、今の年齢から感覚として身に着けて欲しいと思っています。「喧嘩はおしまいか、おしまいではないか」、色々な意見が出ましたが、自分の考えと違っても、それを否定しない子どもたちは、すでにその感覚を身につけ始めてくれていると感じ、嬉しくなりました。

 雨上がりの園庭では、ミミズやダンゴムシが活発に活動していて、空き容器や虫かごを持って園庭に走り、虫探しも盛りがっています!雨の多い梅雨でも、この時期ならではの楽しさを、子どもたちと一緒に見つけていきたいと思います。

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