幼稚園生活
6月3日(火)の年中組の造形活動では、彫刻家の高橋智力先生のご指導のもと、振るとシャカシャカと音が鳴る楽器「カシシ」を作りました。ペットボトルに土をいれて、音を出します。まずは紙コップに入った土の粒をこぼさずにペットボトルに移すにはどうしたらいいか、みんなで考えました。ペットボトルの口に紙を巻くと入れやすい、一粒ずつ紙にのせてそっと運べばこぼれない、などいろいろなアイデアがでました。智力先生からのアドバイスもあり、無事にペットボトルに土の粒を入れられた子どもたちは、さっそくシャカシャカと振って音を楽しみました。今回はこれで終わりではありません。絵の具でペットボトルに色を塗り、画用紙に切れ込みを入れたものを貼り、最後には丸いシールでカシシの「目」をつけました。さらに智力先生の「目以外にも顔にはなにがついているかな?」という呼びかけに、「くち!」「みみ!」「かみのけ!」と元気にこたえて、思い思いに付け加えてカシシの顔を作っていきます。中には羽やマントをつけて飛べるようにしたり、ペットボトルのてっぺんに花のようなかざりをつけたりと、それぞれが想像力を発揮して自分だけのカシシを仕上げました。
色を塗る、ハサミで切る、ボンドで貼るというたくさんの工程に挑戦した子どもたち。完成した作品をうれしそうに先生に見せる子、カシシを使って友達とごっこ遊びを始める子、一人ひとりが達成感をにじませていました。
どうやったらうまくセラミスを入れられるかな?
智力先生がお手本をみせてくれました
シャカシャカ振ってみよう
絵の具で色を塗って
画用紙は何色にする?
ハサミで切り込みをいれよう
画用紙にボンドをつけて
慎重に貼っていきます
思い思いに顔をつくります
完成したカシシであそぼう!
羽をつけたから空も飛べる!
いろいろな顔のカシシができました
ともりき先生よりひとこと
飾って眺めても、手にとって遊んでも楽しい楽器、カシシの制作にチャレンジしました。
年少から年中となり、日に日に出来ることが増えていく、とても大切な時期です。この日は帯のカラーコーディネイトからはじまり、絵の具やハサミ、シール貼りや、のりづけといった、これまでの体験のすべてを注ぎ込みながら手をたくさん動かしてもらいました。
作品に使用している3本の帯状の色画用紙は、子ども達自らコーディネートし、どんな色を隣に置くとカッコよく、可愛いらしくなるのかをじっくり考えながら選んでくれています。選んだ帯はハサミを入れ、スカート部分をつくり込んでいきますが、ここではどのくらいの太さと深さで切り込みをいれるかについては子どもたちに委ねています。
この様に制作を進める過程で、塗る、切る、貼るといった要素それぞれに「どれくらい?」という自分だけのさじ加減と判断が、都度必要となります。
自分が面白いと思いながら一所懸命に貼った一枚一枚の紙。そこに込められた本人たちの楽しみや拘りの質と量は、私たちが思っている以上のものが詰まっている様です。
作品を見ていて「おや?」と思った事がもしあれば、作者本人に聞いてみてください。思いもよらなかった答えが返ってくるはずです。子どもたちの発想の素晴らしさや面白さ、そして愛らしさを、出来上がった作品を通じてたくさん感じて頂ければ嬉しいです。
(造形活動講師・高橋智力)