幼稚園生活

コラム「たいこばしくん通信」

成城幼稚園園長 石井弘之

 本日10月16日12時40分。緊急地震速報が発令された。成城幼稚園は、昼食後の自由遊びの時間で、園児たちは保育室や園庭で思い思いの活動を楽しんでいた。私はスマホを持たずに庭にいたので、区のスピーカーから流れてくる音が耳に入るまで気づかなかった。しかし何を言っているのかは聞き取れない。
 スマホを持って庭に出ていた教員が素早く動いた。成城幼稚園はサッカーなどのできる上の庭と、傾斜があり武蔵野の森を残した下の庭とがある。それぞれにいた教員の周りに園児たちが集まる。手で頭を守り、安全確保の姿勢になる。庭にいた園児たちが安全だと考え、私は園舎に戻り主任と状況を確認する。保育室にいた数人の園児もきちんと頭を守り、体を丸めて安全な姿勢をとっていた。8分ほど後に気象庁から取り消し情報が発表された。現時点では誤報だという報道もある。
 成城幼稚園では年間に何度も訓練をおこなっている。火災・地震・防犯などである。火災訓練では地元の消防署の協力を得て隊員が消防車で来園して下さる。防犯でも警察署から人を派遣していただき、園児向けのお話や教員向けの「さすまた」講習会などもお願いしている。
 そして地震である。火災や防犯はこちらの注意や準備で防げる部分がかなりある。火災を起こさずにずっと過ごすことは可能だし、不審者が永遠にやってこないこともありうる。しかし地震はそうはいかない。来るときは来る。こっちの都合にかかわらず。
 防災頭巾や備蓄品を準備することはもちろんできる。やっている。しかしそれが直接地震を防ぐことにはならない。だから心の準備が最重要なのだ。
 今回、誤報なのかもしれないが、ありがたかった。園児たちはホントに立派に自分の身を守る行動をとることができた。たまに教員にも知らせず防災担当と園長だけで計画して地震避難訓練をやることはあるのだが、全ての教員が知らない形で思わぬ訓練をおこなうことができた。そして園児たちが日常の訓練をしっかりと学び、行動に反映できることを知り、心底うれしかった。

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