幼稚園生活

コラム「たいこばしくん通信」

 9月24日に多摩動物公園へ秋の遠足に行ってきました。年少組は親子で、年中長組は子どもたちだけで幼稚園からバスに乗って行きます。私は、年少組の子どもたちと親御さんと一緒に行ってきました。
 行きのバスでは、いろいろな動物について興味・関心をもつと共に、遠足に期待がもてるように動物クイズを楽しみました。チーターのクイズを出した時、ある子どもから「チーターって歯があるの?」と疑問が挙がりました。「どう思う?」と皆にも聞いてみると、「きっとある!」「ないんじゃない?」などそれぞれの答えが返ってきました。中には、「うちの犬には歯があるから、チーターにもあると思う」と自分なりに理由も考える子どもも。そこで、“チーターには歯があるかどうか”は、皆で実際にチーターを見て確認してみようと約束をしました。また、チンパンジーのクイズの最後に「実は、このチンパンジー、少し遠い所にいるの。でも、ぜひ皆で見に行きたいと思っているんだけれども、頑張れそう?」と問いかけると、「頑張れる!」と力強く親指を立ててグーのポーズをくれたA君。「A君、ありがとう!頑張って歩いて、チンパンジー見に行こうね!」と答えると、他の子どもからも「僕も!」「私も!」と頼もしい返事が返ってきました。その後、“頑張って自分の力で歩いて、いろいろな動物を見よう!”と皆で思いを1つに「エイエイオー!」をしました。
 動物園に入園後、最初に見た動物はバス内で話題になったチーターでした。ガラス張りの所に座っていて、わずか1メートル先にいる本物のチーターに大歓声の子どもたち。残念ながらすぐにはチーターがこちらに顔を向けてくれず、なかなか“歯があるかどうか”見ることができませんでした。そのため、誰もその場を離れずますます食い入るように集中して見入っている姿がとても微笑ましかったです。チーターがこちらを向いた時の喜びはひとしおだったように感じます。
 その後、アフリカゾウの所では、運良く長い鼻を上手に使って水浴びをしたり、食事をしたりするシーンを見ることができました。
 お昼休憩を挟みつつも2時間以上は歩いている子どもたち。表情や足取りにも疲れが見え始めました。「さあ、次はチンパンジーよ!」と明るく声をかけると、グーのポーズを返してくれる子どももいました。今日の私たちの共通の合言葉のようで何だか温かい気持ちになりました。
 1日を通して、「歯はあった!」「ライオンにも歯があった!」「バシャーン!ってお水かけてる~」「いっぱい食べるねぇ…」などたくさんの驚きや発見がありました。それが自然と言葉になって表現され、そして近くにいる親御さんや友達、教員に一生懸命伝えてくれようとしてくれました。その思いに共感することで、その感動がより一層心に刻まれたら嬉しいと思いながら、私も子どもたち一人ひとりの言葉に頷いていました。
 帰りのバスではすぐに寝入る子どもも多く、生態を探ろうと真剣に見入ったり、いろいろな発見に面白さを感じたり、それを一生懸命に伝えようとしたり、自分の力で頑張って歩いたり…心身ともにフル活用の1日だったと感じました。
 今後の幼稚園生活の中でもいろいろな経験の中で様々な思いを味わい、それを言葉で表現して周りの人に伝えることで、自分の思いを表現する楽しさを感じたり関わりが深まるきっかけになったりするよう、私自身の子どもたちとの関わり方を更に考えていきたいと感じました。

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