幼稚園生活

コラム「たいこばしくん通信」

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  • 2024.03.20

    4月からは年中さん

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 3月の終業式を前に、この1年ですっかり成長した年少組の子ども達の様子をお伝えさせていただきます。

 お友達をお部屋の入口までお迎えに行ったり、玄関まで行って次に登園するクラスのお友達のことを待っていたり、朝のお支度をおこないながら一緒に遊ぶ約束をしたり、子ども同士の結びつきがますます深まりました。その分、自分の思いが通らなくて怒ったり、お互いにヒートアップして、思わず強く言ってしまたりすることも出てきていますが、その場面を見ていた子ども達が、「そういう時は、『後で貸して』って言うんだよ」「今の言い方は強かったね」と一緒に考えてくれて、気持ちのやりとりを日々おこないながら、お互いに支え合っていると思えるようになってきました。また、お友達の良い面を見つけると、近くの教員に話して聞かせてくれることも多く、年長組のお別れ会の準備で、年中組と活動した際も、「折り紙で作ってくれた」「教えてくれた」「優しくしてくれて嬉しかった」と、興奮気味に話していました。元々、このクラスは、上の学年とのかかわりが多く、朝のお支度後も他学年の保育室で遊ぶことも結構ありましたが、年中組進級も間近となり、お兄さん・お姉さん像が、それぞれの子ども達から、少しずつ表出されているように感じています。自分達のクラスの子ども同士で、助けたり手伝ったり、お互いを高め合う場面が、今まで以上に増え、頼もしくみえるようになりました。

 2週間前の出来事です。プランターで育てているクラスのはつか大根。実はあまり生育状況が良くなく、ヒョロヒョロしており、子ども達も毎日登園すると様子を気にかけていました。「最近元気がないよね…」と私が呟くと、それを聞いたA君が、「お水をあげよう」と声をかけてくれました。しかし、ただでさえも元気がないはつか大根。勢いよく水をかけたら、それだけで倒れてしまいそうです。「どうやって水をあげるの?」と私が尋ねると、「う~ん…」としばらく考えた後で、「葉っぱに水がかからないようにシャベルで優しくお水をあげる」といいアイデアを教えてくれました。バケツに水を汲み、シャベルを2本持ってくると、その中から水をすくって、はつか大根の根本に向かって優しくかけるA君。登園した他の子ども達もA君の様子に興味を持ち、支度が終わると「僕も水をあげたい」「私にもやらせて」と次々にやってきました。シャベルが2本しかなかったのに沢山の子が集まってきたので「どうなるかな…」と思って見守っていると、「順番にやろう」「〇〇君の次が私ね」「終わったから次は〇〇ちゃんかな?」と自分達で相談しながら水をあげ始めました。また、途中で「僕まだやっていない!!」という人がいると、その様子に気が付いて「いいよ」と自分が持っているシャベルを譲ってくれることもありました。「みんなで上手に水をあげられたね」と最後に声をかけると、満足そうな子ども達。些細なことですが大人の手を借りずに自分達でできたということがとても嬉しかったようです。自分で考える力、自分の意思を言葉で伝えること、友達と話し合う中で相手の考えや思いに気が付くこと、そしてお互いに思いやること。この1年間の幼稚園生活で学んできたことが花開いてきているのを感じました。入園時の子ども達からは想像もできないほど成長した姿に、感動すると同時に、私はこの子ども達のことをとても誇りに思いました。

 4月からは、いよいよ年中組です。最近の子ども達は、年中組への進級に対する期待感から様々なことに意欲的に取り組もうとする一方、1年間過ごしたクラスへの寂しさも感じているようで、登園すると愛しそうに友達や教師に抱きついたり、突然「先生大好き」と伝えに来る姿もありました。

 年中さんになる準備万端の子ども達。4月の始業式に再会するのが今から楽しみです。

 今年度は「たいこばしくん通信」の配信が少なくなってしまいました。配信を楽しみにしてくださっている読者の方々に、お詫び申し上げます。
 来年度も、引き続き、ご愛読いただけるよう努めますので、よろしくお願いいたします。

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