一貫教育の取り組み / Topics

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命を繋ぐために私たちができることを —幼稚園保護者と高校2年生で合同授業(救命研修会)を実施しました—

2024.01.24

 1月16日(火)に幼稚園保護者と高校2年生で合同授業(救命研修会)を実施しました。以前幼稚園では、毎年年少組の保護者の方を対象に救命研修を実施していましたが、コロナ禍でしばらく開催できず久しぶりの開催となりました。今回は年少組から年長組の保護者の方を対象にBLS講習を実施し、50名以上の方にご参加いただきました。
 BLS(Basic Life Support)とは一次救命処置のこと。目の前で人が倒れた時、急に意識を失った人がいた時に周りに助けを求めたり、救急車を呼んだり、AEDを準備するなどの必要な行動について知り、救急車が到着するまでの間に胸骨圧迫、気道確保、人工呼吸など心肺蘇生を施し、命を繋ぐための処置を学びました。
 この日の講師は、中学校高等学校の保健体育科の教諭で、公益財団法人日本ライフセービング協会副理事長でもある松本貴行教諭が務めました。前半は映像を交えて講義形式で行われ、松本教諭の自身の経験も踏まえながら、日ごろ生徒と接する時に大切にしていること、子育ての中で大切にしてほしいことが語られました。後半は高校2年生の保健体育の授業と合同でダミー人形を使った胸骨圧迫の練習を行いました。これまでも授業の中でBLS講習を受講してきた生徒たち。急に意識を失って倒れた先生に対して一次救命処置をするデモンストレーションや、ダミー人形を使った胸骨圧迫の実技で、保護者の方に素晴らしい見本を見せてくれました。保護者の方も胸骨圧迫の処置を全員が体験し、最後は保護者、生徒が協力して救急車が到着するまでの約9分間を想定した胸骨圧迫のリレーを実施。人の命を繋ぐことをシミュレーションしながら全員で力を合わせました。
 成城学園では、「いのちを守り合う成城ファミリー」の活動として、学園教職員のみならず、生徒や学生、保護者の方を対象としたこのようなBLS講習会を実施しています。この日の研修が、ご参加いただいた保護者の皆さまにとって、万が一の時に備える心構えを持つきっかけとなれば幸いです。

  • 50名近くの幼稚園保護者が研修に参加されました
    50名近くの幼稚園保護者が研修に参加されました

  • 後半は高校2年生が研修に合流。冒頭に「先生が突然倒れたら」を想定した一次救命処置のお手本を見せてくれました
    後半は高校2年生が研修に合流。冒頭に「先生が突然倒れたら」を想定した一次救命処置のお手本を見せてくれました

  • これまでの授業の成果を発揮し、正しいリズムと圧で胸骨圧迫をする生徒たち
    これまでの授業の成果を発揮し、正しいリズムと圧で胸骨圧迫をする生徒たち

  • 保護者の皆さまも胸骨圧迫を体験。正しくできているか、モニターを見て確認しながら行いました
    保護者の皆さまも胸骨圧迫を体験。正しくできているか、モニターを見て確認しながら行いました

  • 松本教諭から正しく効果的な胸骨圧迫の方法を習いました
    松本教諭から正しく効果的な胸骨圧迫の方法を習いました

  • 最後は生徒と保護者が協力して胸骨圧迫のリレーを実施
    最後は生徒と保護者が協力して胸骨圧迫のリレーを実施

松本教諭による総括
今回は幼稚園の保護者研修と、高校2年生の保健の授業を合同で実施させていただきました。お一人お一人、かけがえのない大切な存在であり、その“いのちを守り合う成城ファミリー”だからです。保護者の方々は、高校生の授業に向かい合う姿勢、高い救命技能に驚かれている様子でした。高校生もいつもとは違う緊張感の中で、自信をもって取り組んでくれました。互いの命を守り合う存在をリスペクトする素晴らしい時間になったと思います。今後も担当者として、授業の枠を超え、いのちを見つめるあたたかな時間を創造できる学園でありたいと思っています。私自身、今回のコラボレーションから多くのことを学ばせていただきました。ご参加くださった幼稚園の保護者の皆さま、そして驚きの中からスタートした授業を快く、動ぜず、ともに授業を創ってくれた高校生に感謝します。