英語一貫教育 目標達成状況報告
2024.06.28
グローバル化が進展する中で、国際共通語としての英語の役割はますます高まり、英語を活用する能力の向上が強く求められています。成城学園の第2世紀プランにおいても、国際教育の充実・強化が教育改革の3本の柱の一つに掲げられています。これを具体的に進めるために、2015年12月に英語一貫教育推進検討委員会が設置されました。外部専門家の支援も仰いで学園独自のCAN-DOリストを作成し、幼初中高大の教員が定期的に集まり、各校の英語教育についての情報交換、課題の共有を行い、幼稚園から高校までの英語教育が有機的につながり、子どもたちが「本当に使える英語」を修得できるよう努力しています。この英語一貫教育プロジェクトにおいて、各校ではこれまでに以下のような取り組みを行ってきました。
<幼稚園>
ネイティブ教員の常駐化、英語帯活動(教室での英語活動)の導入、アフタースクールの開設
<初等学校>
5、6年生の授業時間数増、全学年の英語授業を日本人教員とネイティブ教員のティームティーチングで実施、英検団体受験の導入、ICT学習の導入
<中学校・高等学校>
英語4技能のバランスを意識した指導、コミュニケーション活動・国際理解教育を取り入れた授業、ICT学習の導入、海外研修プログラムの拡充
そして、この英語一貫教育プロジェクトでは、幼稚園を除く各校に外部テストを利用した学習到達目標を定めました(下表)。成果を測る物差しとしてはCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)を採用しています。CEFRとは外国語の学力を測るもので、現在では国際基準になっています。A1、A2、B1、B2、C1、C2までの6段階で評価し、A1が最も基礎レベルで、C2が最も高いレベルです。B1レベルに高校2年修了時までに必達することを目標とし、達成年度は2023年度としました。指標となる外部テストは現在各校とも英検(実用英語技能検定)を利用しています。英検ではB1レベルは2級に当たります。目標達成状況は表のようになっています。
(注)各校の%は、各学年在籍児童・生徒全数に対しての目標級取得者となっています。
学年 | 目標 | 2019年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
初等学校4年 | 英検5級(中学初級程度) | 実施なし | 72.2% |
初等学校6年 | 英検4級(中学中級程度) | 実施なし | 76.7% |
中学校2年 | 英検3級(中学卒業程度) | 58.0% | 83.0% |
中学校3年 | 英検準2級(高校中級程度) | 37.0% | 53.1% |
高等学校2年 | 英検2級(高校卒業程度) | 38.6% | 56.5% |
この目標は、学園の社会に対するコミットメントですので、必達へ向けてさらに努力を重ねてまいります。
成城学園の英語一貫教育では、単に言語知識を与えるだけでなく、それを実際の言語使用場面で使える確かな英語運用力、英語によるコミュニケーション能力に高めるために、4技能がバランスよく向上するようこころがけています。また、園児・児童・生徒が、発達段階に応じて、異文化を理解し、異なる文化的背景を持つ人と交流できる力を身につけるとともに、新たなことにチャレンジして主体的に行動できる力の習得を目指しています。成城学園で学ぶ子どもたちが、将来世界の人々と共存し、国際社会に貢献していくために、自信を持って堂々と自分の意思を伝えられる英語力、「本当に使える英語」を身につけることを共通の目的として、各校は英語教育の充実に尽力しています。それは、成城学園の第2世紀ビジョン「未来を切り拓いていける人」を育てることであり、何よりも、子どもたちの将来の可能性を拡げることにつながります。皆さまには引き続き英語一貫教育へのご理解ご協力を賜りますようお願いいたします。