学園英語一貫教育 2025年度についての報告~目標達成状況と各校取り組み点検評価~
2026.07.10
英語一貫教育推進検討委員会では、2025年度の幼稚園から高等学校までの英語一貫教育の取り組みについて点検を行いました。2025年度の目標達成状況、各校の主な取り組みと点検評価についてご報告いたします。
【到達目標達成状況】
| 学年 | 目標 | 2025年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 初等学校4年 | 英検5級(中学初級程度) | 77.8% | 88.9% |
| 初等学校6年 | 英検4級(中学中級程度) | 76.9% | 77.8% |
| 中学校2年 | 英検3級(中学卒業程度) | 76.6% | 68.1% |
| 中学校3年 | 英検準2級(高校中級程度) | 55.8% | 53.2% |
| 高等学校2年 | CEFR B1(高校卒業程度) | 48.9% | 51.6% |
【幼稚園】
幼稚園では数値目標は設けていませんが、英語や異文化への興味・関心を育むことを目標に取り組んでいます。2025年度もネイティブ講師が日本人教員とともに日常の保育や園外保育、行事に参加し、園児が生活の中で自然に英語に触れる環境を整えました。年中・年長では希望者を対象とした英語アフタースクールも実施し、英語に親しむ機会を広げることができました。また、初等学校のネイティブ講師や高校を訪問した留学生との交流も実施し、園児が英語を身近なコミュニケーション手段として体験する機会を設けました。さらに、節句や七夕、ひな祭りなど日本の伝統行事を体験させることで、異文化理解の基盤となる自国文化への理解を深めました。一方で、多様な国や地域の文化に触れる機会については一定の成果が見られたものの、保護者等との連携による活動には課題が残りました。今後はより幅広い文化や言語に触れる機会の充実を図っていきます。
【初等学校】
初等学校では、4年生で英検5級、6年生で英検4級の取得を目標としています。2025年度の達成率は、4年生が77.8%、6年生が76.9%でした。6年生は前年度とほぼ同水準を維持しましたが、4年生は前年度を下回る結果となりました。語彙力向上を目的として、記憶定着に特化したアプリ「モノグサ」を継続活用し、定期的な確認テストや長期休暇中の復習課題を実施しました。また、英語多読教材を活用し、家庭でも英語に触れる機会を確保しました。その結果、Listening 分野では継続的な成果が見られ、英語を聞いて理解する力の定着が確認できました。しかし、語彙の定着や、長文読解はまだ十分ではありません。新たな語彙学習アプリの導入や読解教材の充実を図り対応してまいります。
【中学校】
中学校では、2年生で英検3級、3年生で英検準2級の取得を目標としています。2025年度の達成率は、2年生が76.6%、3年生が55.8%となり、いずれも前年度を上回りました。
1月の英検は、二次試験の日程を調整して十分な面接対策時間を確保しました。また、級別対策授業も実施し、Speakingの指導を強化しました。模擬面接を受けた生徒の多くが合格しており、対策の有効性が確認されています。さらに、Global Competence Program(GCP)や海外出版社の教材を活用し、世界の課題や文化について学ぶことも継続しています。生徒同士の協働学習やプレゼンテーション活動を通して、自分の考えを英語で表現する力の育成にもこれまでと同様に取り組みました。一方で、英検取得の意義や将来とのつながりを生徒が十分に理解し、自主的に学習へ取り組む意欲を高めることが今後の課題です。高等学校で昨年度から開始したターム留学などとも関連付けながら、学習意欲のさらなる向上を図っていきます。
【高等学校】
高等学校では、2年生でCEFR B1(英検2級相当)レベルの到達を目標としています。CEFR(セファール)とは、外国語の学習・指導・評価のために用いられる国際的な語学力の指標(ヨーロッパ言語共通参照枠)です。昨年度から外部試験を英検からGTECへ変更し、引き続き4技能を総合的に測定しています。2025年度のB1達成率は48.9%となり、前年度をやや下回りました。GTECの結果からは、Reading、Listeningと比較してWritingに課題が見られました。この結果を受けて、1年生段階からWriting活動を充実させるとともに、教材の見直しを進めています。また、英語学習アプリ「ELST」を活用し、語彙学習や発音練習、音読活動などを継続して実施しました。一方で、取り組みの効果検証やPDCAサイクルの運用については改善の余地があります。今後は教科会での分析と共有をさらに進め、生徒への働きかけを強化しながら、4技能をバランスよく伸ばしていきます。
成城学園の英語一貫教育は、単なる資格取得を目的とするものではありません。英語を通して多様な人々と関わり、自ら考え、発信し、世界とつながる力を育むことを目指しています。2025年度も各校において前年度の反省を踏まえた取り組みが実施され、幼稚園から高等学校までの接続も着実に深まりました。一方で、語彙の定着、読解力や記述力の向上、主体的な学習意欲の育成など、共通する課題も明らかになっています。今後も各校が連携しながら改善を重ね、成城学園ならではの英語一貫教育をさらに発展させてまいります。そして、子どもたちが英語を通して広い世界とつながり、多様な価値観を理解しながら主体的に行動できる力を育んでいけるよう、引き続き取り組んでまいります。
(文責・山口秀之)