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教育研究所ニュース
2018.10.18
10月3日(水)、教育研究所では福井県越前市の「市川鉱物研究室」において、成城学園創立者澤柳政太郎に関する所蔵物の調査を行いました。
市川鉱物研究室は、地元の鉱物学者市川新松(1868~1941)が、蔵書や鉱物標本の保存のために自宅敷地内に1915年(大正4年)から建設着手した建物です。現在も、生前そのままに国内外の鉱物7700点以上が保存され、文化庁の登録記念物にも指定されています。独学で鉱物学を修め、特に水晶に関する優れた研究を残しながらも、国内ではなかなか認められなかった市川新松を、澤柳政太郎は広く世に紹介し、その自学自習の姿勢を高く評価しました。
今回、市川新松のお孫さんである市川啓氏のご厚意により、同研究室に所蔵されている澤柳政太郎に関する物品の数々を調査させていただきました。庭にはなんと澤柳の文字を刻んだ「市川鉱物研究室」の大きな石碑が。貴重な鉱物が所狭しと並ぶ室内には、澤柳が寄贈した掛軸や澤柳の肖像写真などが飾られ、2人の深い交流と、市川新松が澤柳にいだいた強い敬意が伝わってきました。また、澤柳から市川宛ての新発見の書簡が数十点発見され、学園にとっても大変貴重な資料が多数残されていることが明らかとなりました。
今後、教育研究所では、澤柳と市川の関係についてさらに研究を進めていく予定です。