SEIJO FESTIVAL 2023

成城学園文化祭2023(11月2日・3日開催)

学園マップ

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③父母の会 募金コーナーは各校にも設置されています。

タイムスケジュール

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各学校のプログラム

スマートフォンやタブレットでご覧になる場合は、画面を横向きにすると見開きで見ることができます。

会長あいさつ

 見えない敵との戦いが何年続いたでしょうか。見えない相手に勝利宣言なぞというものを声高に叫ぶことは詮無いかもしれませんが、それでもこの数年の間に、私たちは敵を正しく恐れる術を身につけ、今や、かつての日常を取り戻しつつあります。マスク着用とアルコール消毒が昔語りになるのも、それほど遠い未来ではないかもしれません。
 暗い災厄を追い払う陽が漸く輝きを増す中、成城学園文化祭がかつての衣を纏った姿で開催される運びとなりました。まずは、その嬉しさを報告させていただきます。この3年間は、集わないという戦術に沿って、入場者の数を制限し、学園各校間の人の流れも絶つ形での文化祭が続いておりました。開催の断絶だけは避けたいという熱意が創意となって生み出された文化祭には、秋の白さを朱に戻す情熱が大いに感じられたものの、それでも微かな寂しさは否めませんでした。しかし、今年の文化祭では3年間の寂しさを取り戻す勢いで、あの祭の賑やかさが学園の其処此処で花を咲かせているはずです。ご鑑賞のほど、よろしくお願いいたします。
 来て、見て、参加して。
 幼稚園の門をくぐると、園児の作った展示物が皆さんを歓迎し、隣の初等学校に目を向ければ「これほどまでに素晴らしいとは」と、思わず感嘆の声を上げてしまう創作劇が上演されています。中学校高等学校の校舎では、クラブ活動の成果が部屋を飾り、クラス仲間で企画した催し物が教室をいつもとは違う空間に仕立て直しています。記念講堂を超すと大学のエリアです。中庭に並ぶ屋台からは学生諸君の威勢のいい掛け声と食欲を刺激する香りが流れ出、同じ中庭の特設ステージの上では文化祭会長には少々刺激の強すぎる若さが乱舞し、それが大音響となって小さなキャンパスを揺らしています。中庭から少し離れたドーナツ池まで進むと、そろりそろりと、お点前が静寂を運んできてくれます。喧騒と静寂の対比も文化祭ならではのもの…かもしれません。さあ、来て、見て、祭を堪能してください。
 会場では、児童も生徒も学生も、それと彼らのサポート役である教職員も、11月の2日間を祝祭の日にしようと一所懸命です。声を張り上げている人、忙しく走り回っている人、にこにこ笑っている人、じっとしている人。文化祭で一番興味をそそられるのは、懸命になっている人々の姿かもしれません。懸命な人は美しい…。学園創立者の澤柳政太郎博士は「学校は美的なところでありたい」と言いましたが、それを私なりに言い換えるなら「学校は懸命な人々の陳列場でありたい」とでもなるでしょうか。懸命に取り組む美しさが人を成長させる、私はそう考えます。ですから人の育つ場である学校には懸命の種がころがっていなければならず、文化祭もそんな人を育てる懸命の種を、しかも良質な種を提供してくれている機会なのです。
 2日間を過ぎれば熱は冷め、誰もが心地よい疲労を覚えながら日常へと戻って行く。しかし、文化祭の見どころはそこからです。懸命を経験した人は、自分が少し大人になったのを感じ、家族の皆さんも「ちょっと顔つきが変わった」と思うに違いない。どうかその「ちょっと変わった」というところを見てやってください。それが文化祭の本当の見どころです。
 楽しく美しい時間を共有できることを祈っております。

実行委員長あいさつ

 長い夏が終わり、さわやかな秋空がひろがる季節になりました。
 成城学園は、11月2日・3日に、3年ぶりに学園全校による文化祭を開催することになりました。開催にあたり、ご協力いただきました皆様に、心より御礼申し上げます。
 学園全体での文化祭をおこなうのは、2019年以来です。コロナ禍の2020年以降は、各学校で感染状況に応じた縮小開催をいたしました。ようやく今年、以前のようなにぎやかな文化祭を開催できることになりました。当時の幼稚園児は小学生になり、中学生は高校生になりました。この3年間でしっかりと成長した姿を、楽しみにしていただきたいと思います。
 成城学園は、澤柳政太郎が大正6年(1917)に小学校を創立したことに始まります。その後中学校も創立され、大正14年(1924)、世田谷の現在の地に移転しました。それ以来、成城学園はワンキャンパスの一貫校として、成城の街とともに約百年の歴史を歩んできました。
 ご存じの通り、成城大学の正門には門扉がなく、成城の街にひらかれています。園児から大学生までが同じ正門を通って登校し、近隣の方が構内の散策にいらっしゃることもあります。そうした親しみやすい学園の良さを最も発揮できるのが、学園文化祭の2日間だと思います。保護者の皆様も近隣の皆様も、以前のように学園構内を自由に行き来して、各校の展示や催し物を楽しんでいただきたいと思います
 すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、大学文化祭は「柳祭」という名称になりました。コロナ禍が始まった2020年、緊急事態宣言がたびたび発令され、今までのような文化祭はできなくなりました。学生たちが、どんな形で自分たちの文化祭が開催できるかを模索する中で、「柳祭」の名称が生まれました。理由の一つは、成城学園の創立者・澤柳政太郎の「柳」にちなんで。もう一つは、どんな状況にあっても、柳の枝のようにしなやかに順応するという意味を込めて。その名の通り、2020年は全面オンライン開催、2021年はオンラインと対面を組み合わせた開催と、柔軟に状況に応じて開催してきました。今年5月から新型コロナ感染症は5類感染症となり、以前のように制限のない文化祭を開催できるようになりました。「柳祭」は非常時の名称でしたが、学生たちは、「柳祭」を今後も成城大学文化祭の正式名称として使い続けることにしました。
 成城は桜並木と銀杏並木が有名ですが、柳の木は、成城池の北岸に、世田谷区の保存樹木に指定されている古い木があります。成城大学の創立期から学生たちを見守ってきた木です。また、成城大学とゆかりの深い民俗学者・柳田國男も彷彿とさせる名称です。成城大生が思いを込めて付けた名称ですので、ぜひ皆様にも親しく「柳祭」とお呼びくださいますようお願いいたします。
 文化祭当日、晴天であることを願います。成城学園の幼稚園から大学まで、この日のために何か月もかけて準備いたしました。たくさんの笑顔が、皆様をお迎えすることと存じます。ご来場をお待ちしております。

文化祭ポスター


作 
成城大学 社会イノベーション学部心理社会学科 3年 小池 駿


学生の私たちは揺れやすく、脆い存在です。
自分の中にまだ見ぬ色を探求し、自分を求めてもがきます。そのような何色でもない私たちが、自分らしい色を求めて奮闘する姿をグラデーションで表現しました。また、学生たちが自分のカルチャーを表現できる場所としての文化祭における感情の爆発の衝動性も表現しました。
文字は無機質なものとし、そのグラデーションとの対比を際立たせました。
私たちが生きる瞬間を切り取ったこの作品が、成城学園の文化祭に貢献できればと思っています。