初等学校だより
初等学校だより
成城学園初等学校では、計算などの技能的なものだけではなく、数学的な考え方を身につけることも重視し、『算数』ではなく『数学』と呼んでいます。独自の教材「児童数学」を使い、関連する領域をまとめて学習するなど、子どもたちの理解を深める工夫をしています。今回は、図形を勉強している3年松組の授業におじゃましてきました。
この日の問題は「20cmの紙を2回折って二等辺三角形を作ります。どんな大きさになりますか」というもの。最初に先生が、実際に20㎝の紙を折って見せてくれたので、子どもたちはすぐにイメージをつかむことができました。すると、ここからは子どもたちの発言が止まりません。「たくさんの種類ができそうだよ!」という気づきから、8㎝・8㎝・2㎝、6㎝・6㎝・8㎝など、さまざまな辺の長さの二等辺三角形を思いつき、書き出していきます。2つの長さが同じで、すべての辺の長さを足すと20cmになる組み合わせをすべて書き出してみると、今度は、子どもたちから「1cm・1cm・18cmとか、三角形にならないものもあるんじゃない?」という気づきが出てきました。それに対し、「なんで三角形にならないってわかるのかがわからない」という子も。その疑問に対しては、わかる子が代わる代わる前に出て、一生懸命説明し、疑問を解消していました。また、5cm・5cm・10cmの辺の組み合わせでは、三角形にはならないという意見に対し、「ギリギリ三角形になるのでは?」という意見も。これに対しても、三角形にはならない派の子どもたちが説明すると、「友達の説明を聞いて考えが変わった。三角形にはならないんだね。」と納得する姿がありました。
先生は答えを言いません。授業中にわからないことがあった時に、「わからない」とはっきり言うことができる雰囲気があり、そして、わかる子どもたちが、「こういうことだと思う!」「それに補足するとこうだよ」と次々に説明をして、互いに理解を深めていきます。
アクティブラーニングという言葉が流行り、グループワークやディベートで能動的学ぶ姿勢を身に付けましょうなどと言われていますが、松組の数学の授業では日常的に子どもたちが学び合っていて、これこそがアクティブラーニングという活気あふれる授業でした。
(文責:企画広報部)
授業のポイント!