Teacher's VOICE - Vol.6

子どもから自然に出てきたものを生かし、
伸ばしていくことを大切にする成城幼稚園。
3年保育の年少組の子どもたちの担任になることが多い杉田先生に、
心がけていることや、やりがいについて聞きました。
大学では「幼児教育音楽」を専攻していたそうですね。
「幼児教育音楽」では、音楽においても重視されている幼児期に、どのように指導するか勉強したり、自分自身の技術を高めることが主でした。しかし私は、どちらかというと児童心理学などに興味を持ちました。以前、幼児開発協会という組織でも働いていましたが、楽器の奏法・技術の上達だけでなく、音楽を通して人間性を豊かにすることが重要であると説いていました。そこで学んだことは大学と同じくらい大きな意味があったと、今感じています。
担任のクラスでは音楽に力を入れていますか?
成城幼稚園の教育の基本は、教師が何かを教えるだけでなく、子どもから自然に出てきたものを生かし、伸ばすことを重視しています。音楽に関しても、毎日の生活の中で音楽を大事にするという考えです。例えば子どもたちが何か歌い始めたら、それに合わせて口ずさんだりハモったりします。また子どもたちが「先生♪げ♪ん♪き?」と、言葉の音遊びで聞いてきたら、私も同じトーンで返事をすることはよくあります。そういう積み重ねがきっかけになり、音楽への興味が深まり、好きになり、将来その音楽が、心を支え、癒しのひとつになってくれたらと願っています。
幼稚園教師のやりがいは何でしょうか?
子どもたちが何か新しいことに取り組もうとするとき、不安そうな表情で私の方を見ても、私は敢えて言葉には出さず「ちょっとやってみたら」という表情で返します。そうするとその子どもが自分でやってみてできたとき、本当にうれしそうな表情を返してくれます。このように表情だけでも言わんとすることが伝わると、私もとても幸せな気持ちになります。子どもたちが前へ進んでいこうとするときに、その先頭に立つのではなく、後ろでそっと支えてあげられることが、私のやりがいかもしれません。
年少の子どもの印象を教えてください。
ある日、保育室で、子どもが手を洗ったあと床が水浸しになりました。「年少さんだから、しかたないわね」と副担任の先生と雑巾がけをしていたら、私と同じ姿勢で黙々と床を拭いている子が2人ほどいました。何も言わず見よう見まねで床を拭いているその姿に、ありがたくて涙が止まらなくなりました。入園当初の年少さんは1歩ずつ進む感じですが、2学期あたりからぐんぐん成長していきます。ですから成城の理想とする教育に少しでも近づくためには、3年保育でじっくり取り組むことはいいことだと、私は思います。
子どもたちと接するときに心がけていることは?
成城幼稚園では、自由に遊べる時間を多くとっています。遊びの中では、恵まれた自然環境のもと、体を動かすことの楽しさや人との接し方、そして子どもたちにとって新しい世界を自由に存分に学んでいくことができます。
教師も一緒に遊びながら、必要に応じてアドバイスや指導することもありますが、
私は自分の言葉遣いや立ち居振る舞いなどがお手本になって、子どもたちに真似してもらえることが、教師としての理想だと思っています。子どもたち自身の中から湧き上がってくる「やる気」を大切にし、それが将来に繋がる自分の好きなことや楽しいことを見つけるきっかけになれば、私たちも本当にうれしいですね。
2011年12月






