創立90周年記念式典における式辞要約
理事長 大坪 孝雄
成城学園の創設者 澤柳政太郎博士は、かねてより初等教育が教育の原点であり、真の教育は、児童の天分を啓発し、伸び伸びした活力ある人間を育成することにあると考え、「個性尊重の教育」、「自然と親しむ教育」、「心情の教育」、「科学的研究を基とする教育」の四綱領を教育目標に掲げ、大正6年、新宿牛込に32名の児童と5名の教員で成城小学校を創設しました。これが、今日の成城学園の原点であります。
その後、大正14年に現在地の東京府下砧村に移転し、幼稚園や旧制七年制高等学校等を開設、戦後の学制改革により、新制中学校や高等学校、成城大学を開設し、現在、幼稚園から大学院まで8000名弱の児童・生徒・学生を擁する総合学園として充実・発展を遂げるに至りました。これまで成城学園が社会に送りだした人材は、7万名を超えております。
近年、少子化や諸教育制度の改変等により、学園を取り巻く教育環境が大きく転換している中、百周年に向け、より発展・飛躍するため、真に「個性豊かな魅力ある成城学園」の存在意義を再認識し、改めて創造的改革に取り組むべく『成城イノベーションプログラム』を策定し、教育内容の改革および教育研究施設の整備・充実化に取り組んでおります。
教育面では、多様化する社会環境に対応し、改革の担い手となる人材を育成するため、日本で初めての社会イノベーション学部を大学に開設し、既存三学部においても、共通教育プログラムによる教養教育の充実を図ることといたしました。中学校高等学校では、効率のよい学習で学力向上はもとより、柔軟なカリキュラム編成によるバランスのとれた人間形成を目指す中高一貫教育の実施、幼稚園の三年保育の実施などを既にスタートさせ、初等学校では、百周年に向けて30名学級の検討も進めております。
施設の整備・充実面においては、大学では、マルチメディアセンターの新築、本年8月完成予定の教室・研究室棟の新3号館の建設、1・2号館の改修等を進めております。また、初等学校教室棟の整備、幼稚園の三年保育に向けた園舎の建替えは順次進んでおり、引き続き、中高体育施設の新設を計画しております。
90周年を迎えた今日、なお珠玉のごとく斬新な光を放つ澤柳博士の教育理念を基に、誇るべき伝統はしっかりと守り、時代の新しい要請は真摯に受け止め、改革すべきは改革し、21世紀の社会で活躍できる有為の人材の育成に傾注し、学園のさらなる発展のためには、これらの事業計画を完遂することが不可欠であり、今後も、ご父母、卒業生のご協力を得て、教職員一丸となって取り組んでまいる所存であります。







